蜘蛛の糸
飼っているというよりも、同居している。いつの間にか彼?彼女が、うちにいついているのだ。
とっても小さい、足の小指の爪ぐらいの大きさの蜘蛛だ。ハエトリグモ、というらしい。
愛着があるけど、名前はまだない(笑
いつもはどこにいるのかわからないのだけど、
ときどき思い出したように視界に入っている。
ときには玄関に、ときには階段に、ときには寝室に。
僕は昆虫全般、触ることができないのだけど、とくにGなぞは見るのも嫌なのだけど、この蜘蛛だけにはなぜだか愛着がある。
今日は朝からお風呂の掃除をした。
重曹とお風呂用洗剤を使って、壁からなにから全部洗っちゃうのだけど、ふと見るとこの蜘蛛が浴室にいるじゃないか。
あやうく、シャワーの水で流しちゃうところだった。
このままじゃ掃除できないから、「あっち行け」と言わんばかりに手で風を起こしたてみたり、息を吹きかけてみたけど動きゃしない。
しかたなく蜘蛛に水がかからないように、いつもより慎重に掃除をした。
蜘蛛は掃除が終わるまで、動かなかった。
なんでこの蜘蛛に愛着があるのだろう。
なんだか蜘蛛を見ると、芥川の蜘蛛の糸を思い出すからだろうか。
なんとなく気ままに過ごしているけど、どこかで最後は救ってほしいという願望があるからだろうか。
この蜘蛛をみるとなんだかちょっと人生のことを考えちゃう。