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イノウエ家の不安

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イノウエ・ノウは落ち着かない日々を過ごしていた。久しぶりに申し込んだおうち診断の結果が陽性で、危険な病気の可能性があるので精密な再検査が必要とされたのだ。それもすぐに再検査をしてくれれば勢いをつけてそのまま突っ走れるのに、1か月も後になるということだった。

夫イノウエ・シンゾウは忙しい忙しいが口癖で、実際にも忙しい身である。私と夫は安全で、疑わしいのは次男のダイチョウだったが、少ない可能性ながら長男イも検査をしておいたほうが良いだろうというドクターの言葉が頭から離れない。一番に疑わしい次男ダイチョウはいつも元気そうで、私が訊いても大丈夫だと言う。長男のイは普段からよく分からなかった。無口で神経質、何を考えているのか分からない。

可能性は低いと分かっていても、つい考えてしまう。それは、危険な状態なら1か月も後の検査ということは無いだろうと、楽天的に考えたり、次男から長男、またその反対かに感染し、三男のカンゾウや長女ハイにも・・・・と、時に悪い想像もしてしまうこともある。

それでも時間は確実に進むのだから、なんとか精密検査の日を迎えた。最初に次男、日にちをおいて長男と検査が終わった。検査技師は心配ないでしょうと言う。詳しい結果は後日ということになった。



問題ありません。この言葉を聞いてほっとした。そして、ドクターが言った。

「ダイチョウ君がいつも大事に可愛がっているペットを連れてきましたので、検査を致しました。はい、このダイチョウ君のペットだというヂ君のせいで、これはご家族に感染は致しません」
作品名:イノウエ家の不安 作家名:伊達梁川