「妖刀正宗の復習」 第五話
呪われた妖刀の伝説は甦ったのだ。
その日会議室で美術館員たちは証拠物件として警察に預けられている正宗が戻ってきたらどうするか検討していた。
展示を続けるべきだとの意見が大半を占める中、反対意見もあった。
呪われていることが判明した以上、再び犠牲者を出すことは許されるべきではないと唱えた一人の異論に館長が反論する。
「警備員は理由もなく正宗を手にし、その後自ら首を斬るという衝動に駆られたのだろう。それを怨念とか呪いとか決めつけるのは非科学的だ。死にたい理由があったとしか考えられない。恐れることなく展示を続けることにする」
「館長、提案があります」
「なんだ、言ってみろ」
「二度とこのような不祥事を招かないように展示方法を改善してはどうでしょうか?」
「展示方法を改善する?」
「はい、密閉された透明の容器に保管するのです。開封にはその容器を壊す方法しかないようにすれば簡単に手にすることが不可能になり危険は無くなるのではないでしょうか?」
「誰も触れないように封じ込めて展示をすると言うのだな?」
「はい、もしその方法で今回のようなことが起これば呪われていると疑っても納得出来ると考えます」
「ふん、呪われているか・・・ほかの意見は無いか?」
その日会議室で美術館員たちは証拠物件として警察に預けられている正宗が戻ってきたらどうするか検討していた。
展示を続けるべきだとの意見が大半を占める中、反対意見もあった。
呪われていることが判明した以上、再び犠牲者を出すことは許されるべきではないと唱えた一人の異論に館長が反論する。
「警備員は理由もなく正宗を手にし、その後自ら首を斬るという衝動に駆られたのだろう。それを怨念とか呪いとか決めつけるのは非科学的だ。死にたい理由があったとしか考えられない。恐れることなく展示を続けることにする」
「館長、提案があります」
「なんだ、言ってみろ」
「二度とこのような不祥事を招かないように展示方法を改善してはどうでしょうか?」
「展示方法を改善する?」
「はい、密閉された透明の容器に保管するのです。開封にはその容器を壊す方法しかないようにすれば簡単に手にすることが不可能になり危険は無くなるのではないでしょうか?」
「誰も触れないように封じ込めて展示をすると言うのだな?」
「はい、もしその方法で今回のようなことが起これば呪われていると疑っても納得出来ると考えます」
「ふん、呪われているか・・・ほかの意見は無いか?」
作品名:「妖刀正宗の復習」 第五話 作家名:てっしゅう