エロレストランはここですね
なぜか男性客は2人までしか入れない超会員制システム。
どんなエロが味わるのかと思って楽しみで胸が張り裂けそうだ。
てっきりストリッパーが下品に踊るとか、
風俗嬢が奉仕するとかそんなのを期待していたけど
店内はこぎれいで女性客がひしめいていた。
「意外だな。客は男だけかと思っていたけど女もいるんだな」
「スケベなのは何も男だけじゃないんだよ、きっと」
席について数十分もすると、
銀皿がウェイターによって運ばれてきた。
「こちら、前菜の"河川敷に捨てられたエロ本"でございます」
銀のふたを取ると、日焼けしてぱりっぱりのエロ本が出てきた。
小学生や中学生ならまだしも、大人になっては興奮の対象ではない。
「まあ、前菜だしな。ははは」
二人で一応は運ばれたエロ本を味わった。
これはこれで味があっていいかもしれない。
前菜、というには楽しめた部類だろう。
ふたたびウェイターがドーム状のふたをもってやってきた。
「さて、前菜の次はもちろん……」
「前菜の"漫画のエッチなシーン"です」
「また前菜かよ!!」
ふたを開けると、一般漫画のエッチなシーンの寄せ集めが。
エロいかエロくないかで言えば、エロい部類には入るんだろうけど……。
「……まあ、昔はこんなのでもエッチに見えたもんだよな。
これはこれで懐かしくていいじゃないかな、ハハハ」
友人はもう漫画なんて見ていない。
その視線の先には、俺の後ろからやってくるウェイターに注がれている。
その手には、再びおぼんに乗った銀ふたが。
「お待たせいたしました」
「前菜の"深夜にやっているお色気番組"です」
「いい加減にしろーーッ!!」
もう我慢の限界が来て、テーブルをひっくり返す。
「さっきから前菜ばっかり! いつになったらメインに行くんだよ!
こっちはさっきからムラムラお腹すかせてるのに!
もう俺は我慢の限界なんだよ!!」
ここに来たのも、普段じゃ味わえないエロを噛みしめるためだったのに。
さっきからまるで欲求を刺激するだけ刺激して、
そのまま生殺しにでもされているような気分だ!
「だいたい、前さ……んむっ!?」
店への苦情を延々しゃべろうとする口を、男友達に唇をふさがれた。
「っぷぁ! お前、いったいなに……んむむっ!?」
「ああ、俺もさっきから我慢の限界なんだ」
「え、まさかこの展開って……」
「ここに来たのも、僕は最初からお前と……」
「やめっ……アッーーーーーー!!!!」
俺の声が店内を振るわせた。
「本日のメインディッシュ、ホモの活け造りでございます」
来店していた客は全員メインディッシュを味わい倒した。
作品名:エロレストランはここですね 作家名:かなりえずき