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フォトブックを作ってみたら!「清浄華~ほとけに祈りて」作成記

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「心の灯火(ともしび)」

 仏画を始めたのは、今から十三年前のことになる。第三子となる二女がお腹にいると判ったときから、始めた。妊娠初期には流産の危機なども多少あり、何とか、お腹の子が無事に成長して欲しいと願ったのも原因の一つであったが、一番の動機は母が檀家の有志の方たちとやっていたので、それに触発されてであったと思う。
 始めるからには途中で投げ出すようなことはしたくない。その想いから、逆になかなか始められなかったわけだけれど、二女妊娠は良いきっかけになってくれた。最初は不安だったし、随分と難しく感じられたものの、不思議なことに、写仏は誰でもできるし、続けられるものだと判った。仏様が描かせて下さるのだ。最初は何となく落ち着かない気持ちで筆を持って描き始めても、何故か夢中になっている。私が何とかここまで続けられたのも、やはり仏様のお導きがあったからこそだろう。
 今回の写仏集は初めての試みであり、至らないところ、反省点は多々あると思っている。まず、裏打ちや表装もしていない状態で自分でデジカメで撮影した。しかも、特別な照明などを使ったわけでもない。選んだ作品も最近のものを中心にランダムに選んだだけで、拘りやテーマ、一貫性を持たせたわけでもない。それでも、とにかく、どんな風になるか、自分でやって確かめたかったというのが正直な気持ちだ。
 お恥ずかしい話だが、今回の撮影で過去作品を振り返ってみた時、作品集の中でいちばん古いものの方が自分的にはよく出来ているように思えたのは意外だった。そして改めて、十三年、下手なりにもよくぞ続けられたものだと、長かった年月を振り返った。私にとっての人生という道を照らす灯火は、(小説)執筆活動だと思っている。しかし、今回、写仏集を作るに当たって過去の様々な仏様を見た時、写仏も明らかに私の人生を照らしてくれた灯火の一つなのだと痛感した。
 結果、知り得たことは、私のささやかな人生を照らしてくれる灯りはけして一つではないということだ。更に、何事も続けなければ意味がないということ。拙い作品ではあっても、13年間に渡って描き続けてきた、たくさんの仏様が私の歩いてきた道を照らしてくれる灯り、もしくは光であり、このたくさんの光に導かれて私は今という場所まで歩いてきたのだ、と。
 途中で投げ出せば、灯りはそこで消える。大切なのは、点し続けた灯りを絶やさず、細々とでも良いから、ずっと点し続けてゆくことではないか。今日、これまでに描かせて頂いた仏様たちを見つつ、そう思った。そう、写仏はまさに「描く」のではなく「描かせて頂く」のである。少なくとも、私はいつも、そのような気持ちで筆を持っている。これからも自分なりに、一つ一つの灯りを点し続けてゆきたいと決意も新たにした。   合掌 
                                恭恵 拝
             平成27(2015)年8月吉日