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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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えっそっちじゃなかったの!?

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ピンポーーン。

「はい」

玄関を開けるとニコニコ顔の男と、その隣に人がひとり。

「やあ、どうも。ロボットはいりませんか?」

「ロボット?」

「ロボットをお売りしているんですよ、要りませんか?」

ちらと男の隣の人を見る。
どう見てもロボットには見えないけれど……。

「いらないです。必要ないですし」

「いやいや! お売りするロボットはめちゃくちゃ高性能で
 人と同じレベルでの会話コミュニケーションできるんですよ!」

「うそつけ! さっきから全然しゃべってないぞ!」

「そ、そんなことありませんよ!」

営業はだらだらと汗を流し始めた。
こんなわかりやすい営業トークに引っかかってたまるか。

「他にどんな機能があるんだ?」

「自炊機能があるので食事も作ってくれますし、
 生理機能もあるので一緒に生活してても人と変わらないですよ」

「それロボットとしての価値ゼロじゃねぇか!」

「それだけではありません!
 今回お売りするロボットはボディガード機能もあるんです!」

「ふぅん……」

俺はいきなり、営業の隣にいる人をドンと押した。
不意打ちだったためかそのままよろめいてしりもちをつく。

「いっ、いきなり女性に何をするんですか!」

隣に立っていた営業は慌てて駆け寄る。
おいおい。
たかがちょっとどついただけでよろめかれちゃ
ボディガード機能なんて期待できな……


女性!?


「おい、そいつは女なのか!?」

「え、ええ。この人は女ですが……それがなにか?」

女のロボットだったのか!
だったら、営業の言っていた会話スキルがなくても問題ない!
むしろ無口で自炊してくれるなんて最高じゃないか!!

なんて都合のいい彼女なんだ!


「買います!!」

「え、いいんですか?」

あまりの突然な心変わりに営業は目を丸くする。

「いいから、ロボットよこせ! 金はいくらでも出す!」

「お買い上げありがとうございます!」


お金を受け取った隣の女はさっさと帰って行った。
残った営業はニコニコとこちらを見ている。


「あの……ロボットは?」


「はい、私がロボットです。
 隣のは、ただの女の整備士です。それがなにか?」


ここからはじまる男2人の共同生活。
ホモと誤解された俺に彼女ができるのはいつなのか……。