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Koyamaのアネキ
Koyamaのアネキ
novelistID. 57062
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かみなりさんと歌う橋①

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1.でっかい橋が見えてきた



 かなちゃんはとってもごきげんでした。今日は年に一どのキャンプ旅行の日だからです。
「お父ちゃん、まだつかんの? はよはよ」
 朝、車にのったときから、かなちゃんはからわくわく、そわそわ。たびたび立ち上がっては、うんてんせきのお父ちゃんをせかします。
 いっぽう、弟のれんくんは、となりですやすやねむっています。朝早くに出発したので、ねむたかったのでしょう。
「かな、おちつけ。そなにいそがんでも、キャンプ場はにげやせん」
「はあい」
 お父ちゃんにたしなめられ、かなちゃんはしぶしぶ、くじらのざぶとんをしいたシートにこしを下ろしました。本当はすわりたくなかったのですが、あんまりうるさくすると、お父ちゃんが「下ろすど!」ってこわいのです。
 とはいえこんなにうれしい日。だれがおちついてなどいられましょうか。
 かなちゃんがちょっぴりふくれっつらでいると、お母ちゃんがぽんぽんとかなちゃんのかたをたたきました。
 ふりむいたかなちゃんに、お母ちゃんはまどの外をゆびさしてみせました。
「ほら、見てみ。この橋わたったらすぐそこや」
「えっ、ほんま?」
かなちゃんはお母ちゃんによりかかるようにして、まどに近よりました。
そして、お母ちゃんのゆびさすほうを見ました。
 するとそこには、とっても大きな橋。まるで、雲をもつきぬけるような大男が、ごろりと寝そべっているような橋がかかっていました。