二つの窓から日の差す列車、まるで影のな い空間に見知った顔が並んでいる。私の親 もいれば、友人やテレビでよくみるあの芸 能人、知らない顔がないかもしれない、こ の列車は。人形のように無機質で平面な彼 ら、私は角の席に座っていて、目の前に吊 革に掴まる少女がある。光りを放つ緑の黒 髪に烏を果実にしたらこの風であろうチェ リー大の瞳に日焼けした肌、目の下にほく ろがある、ジーンズを履いた胸はまだ未発 達な全体的に幼さが滲むような、彼女。見 覚えがある、理想の少女は偶像のように永 遠をテーマにしているようで、確実に成長 の段階に迄ある。 私はまた顔を上げた、不思議と目が合わな いのだが、彼女も顔を下に向けて、私は彼 女の顔をよく見ることができる。 あぁ、こういう気持ちなのかも知れない。 公共の空間に私の世間が大きく巣食って、 私はこういうときにきっと変化はあると 思った。 さぁ、股に手を入れてやろうか。私の内面 を邪念が往き来する、殺人はなんと道理に 合わないことだろうか、どうせなら彼女を 公共の場で一生逃さない位の暗闇に引き連 れて私は自分も堕ちていこうとおもう。彼 女のズボンを下ろしたい、あぁ彼女はそう もう毛は当然生じているだろうな、人間の 獣を隠そうとする心理に外面の獣の証がま るでまるごとが内面にまで食い込む錯覚が ある。さぁ、ならば私はその秘匿を暴いて やろうではないか、私は内面の欲望が口か ら腕から頭や足やら何もかもが新しい脱皮 のように出現するのを感じる。内と外の境 界も膜も判然としておらず、新しい私は先 程迄、きちんと内面をしていたのに今や、 外面になり、マトリョーシカの如く永遠に 内面の出現はなし得ない。恐らく、また新 しい内面がそこにあるのだ、だから私はこ こで今のところ自分の内面が表現されるの を感じた。 彼女のズボンに指を奥まで入れ下着ごと、 いっぺんに脱がせその彼女の何もかもが恥 部が全体に晒され、彼女と私は今同時に革 変する。 恥部、黒い毛に激しい情念と底を目指した い深い獣の内面にいたのを知り、私は彼女 のその日に焼けた脚に掛かりジーンズの上 に残る純白の下着に噛みついた。お前にズ ボンは上げさせない、ここで獣を露呈する のは私よりかお前の方だ娘。 痴漢だ、痴漢だ、と列車の中の人々が騒ぎ 立て私を彼女から引き剥がそうとし、少女 はひたすらに泣き叫ぶ、私は彼女の服を噛 み千切ってしまった、どうだこれでお前は もうどうにも出来まい。アナウンスが入っ た、当県では獣が最近よく発見されるので ご注意下さい、ほら、お前らあそこに人間 のメスがいる、聞いているのか、なんで俺 を取り押さえるんだ。田中やめろ、長谷部 アナウンス聞いてたか、父さん母さん、そ んな目で見るな、山田なんでお前警官の格 好なんかして、なんで手錠を持っている。 踏み切りの音が普段よりけたたましい、カ ンカンカンカンと、 私は目を覚ました。 「あぁ、また髪の毛抜けてるよ、大学生で は禿げてるかなぁ。」 私は枕を裏返して、部屋を出た。朝食とメ モ書きが必ず読むようにと、ラッブを掛け た皿の上に置いてあるが、気にせず、ラッ ブを取り外して料理を口にする。卵を焼い ただけの料理だが、黄身と白みと何だか栄 養といった色合いで口はとろける黄身を好 ましく思っている。 通学の電車に乗っていた、茶髪の長い髪に 豆電球のような瞳、肌は化粧で白く、目の 下にほくろ、ピンク色の高価そうなエレガ ントな服で着飾って胸も大変膨らみを貰っ た偶像の姿ではない彼女が入って来た、