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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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ウサギとカメ - リベンジマッチ -

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「リベンジマッチだ!」
「うん、いいよ」

ウサギはカメに再び勝負を挑んだ。

カメにレースで負けたあの日から、
ウサギ界では後ろ耳刺されまくりの日々だった。

「今度は必ず勝ってやる!」

前回は油断から負けてしまったのであって、
普通にやっていればカメに負けるはずはない。

でも、油断はしない。

「カメ、ゴールはこの先にある旗の場所だから」

「スタート地点からじゃ見えないよ。
 ずいぶん遠くに置いたんだね」

距離は前回よりもずっと長くしておいた。
これなら仮に途中で寝たとしてもカメはゴールまで到達できない。

寝るつもりはないけど。

「勝負は1週間後!」

「ずいぶん間が空くんだね。
 1週間もあればなんでもできるよ」

「ああ、そうさ。なんでもできるんだ」

ウサギは前歯を出してシシシを笑う。

「ふふふ……カメめ今に見ていろ」
「ウサギさん、心の声漏れてます」

レースを1週間後にしたのにはワケがあった。


1週間後、ウサギは工場に向かった。

「できてる?」

「ああ、ジェットブースターは今できたところさ。
 ところで、こんなもの何に使うんだい?」

「絶対に負けられない戦いに必要なの」

ウサギはブースターを装着してカメとの決戦へ。


「ウサギさん、それ……」

「なに? 持ち込んじゃダメなんて誰が言った?」

ウサギはにたりと会心のどや顔。

「よーーい……スタート!!」



ゴォォッ!!!


開始と同時にブースターからのロケットスタート。
ものの数秒でカメを引き離してしまった。

「あははは! これなら絶対に負けない!」

1週間かけて準備したかいがあった。
ぐんぐん旗の設置場所へと近づいていく。


「あ、あれ?」


ゴールに到着したものの旗がない。

「まさか!!」

ウサギは慌ててスタート地点に戻ると、
カメはすでにゴールしていた。

スタート地点すぐ後ろに置かれた旗のゴール地点に。

「そ、そんなぁ!」

1週間、ウサギがブースターを作っている間に
カメはゴール地点の旗を移動させていた。

これでウサギの二連敗。


「ひ、卑怯だぞ! ゴール地点を移動させるなんて!
 おとなしく負ければいいじゃないか!
 カメならバカ正直に進むのが普通だろう!!」

ウサギは自分のブースターを棚に上げての猛反論。
対してカメは、


「ウサギさん、そこまでして格下のカメに勝ちたいんですか?」


ウサギ、三連敗。