クッキー
兵士「なんだよ気持ち悪いな」
勇者「楽しいね、賢者ちゃん!」
賢者「そうですねっ。とってもくだらないですうっ」
兵士「はーあ……ったくよ。バカバカしすぎて笑っちまうよ」
勇者「それでいいんだよ、兵士ちゃん!ずっとずっと三人で笑おうZE!」
賢者「朝まで遊んで、ずっと笑って、つらかったら泣いて、たまーにケンカして。
そんなふうに生きてく権利くらいあるはずですっ」
兵士「ったく、ガキはこれだから……。そんなことでいいなら、いつでもやってやるよ。
今だって泣いてやろうか?えーん」
勇者「え、ねぇ、あの」オロオロ
賢者「へ、兵士さんっ?」オロオロ
兵士「えーん、肉が食いたいよー。金が欲しいよー。異国の彼氏に会いたいよー」
賢者「また聞きずてならないこと言いましたねっ。
その異国っていうのはどこだか教えてほしいですう。
ちょっと四次元魔導つかってきますからあ」
勇者「勇者のにわか召喚術の準備もバッチリだZE!彼氏とやらに挨拶行ってくるYO!」
兵士「えーん。二人ともまたクソバカなこと言ってるよー。
真剣な顔して言うなよなー。
そんなとこも大好きだよー」
二人「えっ……?」
兵士「とまあ、こんなとこでいいよな?バカバカしくて笑っちゃうだろ?」
勇者「ちょ、ちょ、ちょ」カーッ
兵士「あーあ、俺はクッキーでも食ってるから、異国でもなんでも行ってこい。
土産は甘いもの以外な」
賢者「あの、待って、兵士さん、あの」テレテレ
兵士「顔真っ赤だぞ、ははは。やっぱりガキだな」
勇者「だって、その、ちょっと、待って」
兵士「待たねぇよ。お前らが追い付いてこい。
そんで追い越せたら認めてやっから」
勇者「そんな……無茶ばっかり言わないでYO!
このー、兵士ちゃんの大人!バカ大人!」ビシッ
兵士「変な罵倒すんなよなー。出掛けねぇならクッキー食え。
俺だけじゃ減らねえんだよ」
賢者「いいじゃないですかっ。わたしたちの愛は減らないんですっ」
兵士「じゃあ、こう言えば分かるか?
俺はお前らと一緒に食いたいんだわ」
勇者「う……うわー!ちくしょー!兵士ちゃんのバーカ!バーカバーカ!」ダッ
賢者「もう私もたえられませんっ。勝負は次までおあずけですうっ」ダッ
兵士「なんの勝負もしてねえから、バカが」
ダダダダッ
兵士「……」
兵士「ったく…………ホントーにかわいいやつらだよ、お前らは。
なんてな」ポイッ
パクッ
兵士「うん、うまい」モグモグ
ー終わりー