心ヌーディストビーチへようこそ!
「もちろん! これからもずっと親友よ!」
「だったら、心ヌーディストビーチに行かない?」
心ヌーディストビーチに親友と行くことに。
ここに来ると自分が解き放たれて、
心が完全なまるはだかになってしまう。
「ねぇ、親友は私のことどう思ってるの?
私は親友のこと、すごく大事に思ってるよ♪」
心ヌーディストビーチで私は本音をさらけ出す。
当然、親友も私を同じ気持ちのはず。
「あたしは、別にそこまでじゃないわ」
「……えっ」
「あなたと過ごす時間はとても楽しいし、
あたしの知らないことをたくさん見せてくれる。
でも、ときにあなたのふるまいにイラつくことがあるの」
「ひどい!! 親友だと思ってたのに!
いままで思ってて黙っていたのね!」
「黙っているからうまくいくことだってあると思うの」
「そんなのはいいわけよ!
本当の親友なら隠し事なんてないもの!」
信じていたのに!
本音を隠すような人とは友達になれない!
その日から、新たな親友探しが始まった。
最後のチェックで必ず心ヌーディストビーチに連れていく。
「ときおり、あなたの行動で許せないことがある」
「もっと私に興味を持って欲しいと思っていた」
「正直、あなたは男と出会うためのエサにしか思ってないわ」
「ひどい! そんなふうに思っていたのね!」
どんなに仲良くなったと思っていても、
みんな心の底では本音を隠している。
そんなのは親友じゃない。
「そうだ! 心ヌーディストビーチで親友を作ればいいんだ!」
心ヌーディストビーチなら常に本音。
ここで親友になればウソのない付き合いができる。
「親友になってください!」
「うん、もちろん!」
そして、ついに親友を見つけられた。
「私たち、仲良しの親友よね!」
「うん、そう思っているわ!」
心ヌーディストビーチなのでウソ偽りはない。
これこそ本当の親友なんだ!
「親友になら私のこと、なんでも知ってもらわないと!」
私は自分についてを親友にすべて話した。
隠し事もなく、お互いを深く知らなければ親友じゃない。
そこに、イケメンがやってきた。
「こんにちは、君たち俺と遊ばない?」
「ええ、もちろん!」
「嬉しいけどお断りするわ」
まさかの親友から拒否に驚いた。
「どうして?」
「私はいいけど、この子は出会い目的で
心ヌーディストビーチに来ているの。そう話していたわ。
でも、あなたは見た感じそうでもなさそう」
「ああ、まあ。恋人とかになるつもりはないね」
「でしょう? だからダメ」
「そうかほかを当たるよ」
イケメンは去ってしまった。
「ちょっと!! どうして本当のこと話すのよ!!
なんでも話していいってものじゃないでしょ!?」
親友の秘密をバラすなんて信じられない!
そんなの親友じゃないわ!
私はまた親友を失った。
「あーーあ、私をいつも無条件でほめてくれて
自分の本音は隠さずに、私の本音だけはは受けとめてくれて
それでいて、私の都合のいいぶんだけ話すような人間。
そんな親友いないかなぁ」
「「「 理想高すぎだろっ!! 」」」
心ヌーディストビーチの人たちが本音で答えた。
作品名:心ヌーディストビーチへようこそ! 作家名:かなりえずき