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みやざきしんいち
みやざきしんいち
novelistID. 56782
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ファミレスの注文

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テーブルに置かれたボタンを押すと店員がやってきてオーダーを聞く。このファミレスのシステムは、ちょうど僕が大学生の頃始まったように記憶している。

大学時代をすかいらーくのバイトで明け暮れた僕にとって、この「ボタンで呼ぶ」システムは、テクノでありポップだった。そう近未来だった。この、店員さんに来てもらうために、声ではなくボタンという機械で知らせる、このシステムはクールだった。

人間は生まれた時から「なにか食べたい」という意思表示を「声を出して泣く」という行為で知らせてきた。大人になっても「お腹が空いた」「あれ食べたい」「おーい」などと声にして、食べたい欲望を伝えてきた。それなのに、ファミレスでは「無言のままテーブルにあるボタンを指先でなにげなく押す」のだ。80年代の僕達にとってこれがポップでおしゃれでないわけがなかった。

今日は久しぶりにファミレスで食事をした。近くにいる店員さんは、声をかけてもいそがしそうにどっかいっちゃう。それなのに、ボタンを押すとすーっとやってくるのだ。これぞファミレスの真骨頂。僕の大学生時代とはもう30年ほど前のこと。

最近のファミレスアルバイターは、デジタルネイティブで(そしてゆとりで)僕の頃とはわくわく感が違うのだろうけど、この店員を呼ぶボタンシステム、今の世代はどう思ってるのだろう。