小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

全自動お友達装置

INDEX|1ページ/1ページ|

 
友達レベル:1



「おまっwwwww友達レベル1ってwwwww
 それ、俺しか友達いないってことじゃんwwwww」

「そういうお前はどうなんだよ」
「あ、見る? 俺の見ちゃう?」


友達レベル:50


「まあ、50人くらいは友達なわけよ」

「すごいな」

「今度俺の友達全員集めてパーティやってやるから
 そのときに、俺の友達と友達になればいいじゃん」

親友の友達レベルはいつまで経っても1だった。

友達が少ない。
つまり、友達レベルが低い。

そんな人間は誰からも信頼されない。
逆に友達レベルが高い人間は信頼される。

みんなの人気者には、人が集まるわけだ。


>映画見て感動した!
 >楽しそう! 俺も見に行きたいなぁ~~

>最近退屈だなぁ
 >どこかに出かけてみるのはいいんじゃない?

>彼氏と別れた……マジつらたん
 >大丈夫、きっと新しい人見つかるよ



「めんどくせぇぇぇ!!」

どうでもいい!! 全部どうでもいい!!

お前の見た映画なんて興味ないし、
てめーの退屈加減なんて知ったことじゃないし
彼氏と別れたあ? だまってろブス!!



……と言いたいけど言えない。

そんなこと言ってしまえば俺の友達レベルが下がる。
友達レベルの管理には「心遣い」が大事なんだ。

傷つくことは言わずに、相手が嬉しいことを言う。
たまに自分の近況を報告し、体験を共有する。

友達なんてそんなもの。


友達レベル:100


「やっと100には来たけど……これが限界かなぁ」

これ以上友達を増やしてしまえば管理できなくなる。
でも、もっと友達レベルを上げるには……。


「……あった!」

こんなモノがあったなんて!

 ・
 ・
 ・

友達レベル:10000


「なんて人脈なんだ!」
「そんなに人に好かれるのね!」
「君みたいな人が欲しかった! 内定!」

「ふははは、そうだろうそうだろう」

俺の買った『全自動友達』さまさまだ。

勝手にいろんな人に連絡を取って、仲良くなってくれる。
そして、友達の管理・対応もしてくれる優れもの!


「親友。約束通り、パーティで友達紹介してやるよ。
 なにせ俺には1万人もの友達がいるんだからな。
 1人くらいはお前のお眼鏡にかなうやつがいるだろう」


俺は1万人の友達が入れる大きさの会場を用意。
せっかくなので記者も集めたりした。
全国に俺の友達レベルの高さを見せつけてやるのだ!


パーティ当日。

会場には俺と親友がスタンバイ。

「よかったな親友。今日でお前の友達レベル爆上げだぞ」


1時間。
2時間。

3時間。

会場には記者と俺たち二人しか来ていなかった。
いつになったら1万人の友達は来るのか。

記者がしびれを切らして連絡を取る。


「あの、ここに来れない理由わかりました」

「どうせ仕事だろ? それとも病気?」



「いえ、すでにみなさん亡くなっています。
 本人の死後も『全自動友達』が友達を作り続けていたんです」

記者の報告の後、親友が口を開く。



「顔も見たことない、声も聞いたことない。
 そんな相手を友達って言っていたの?」
作品名:全自動お友達装置 作家名:かなりえずき