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壮大だけど、短い

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「眩しいなぁ」って目を瞑った。
たったその一瞬で、世界は光に包まれていく。
建物の影になって少しだけ居残った僕の欠片たちは、
君のその輝きと、溢れ出るエネルギーみたいなものに圧倒されて、
動けなくなり、やがて消えていく。

僕の名前は、夜だ。
君は、朝という。
僕らは毎日、出会いと別れ、
「こんにちは」と「さようなら」を繰り返して、
永遠とも呼べる時間を刻んでいく。

たまにはゆっくりお話してみたいなとか、
同じ景色を一緒に眺めて感想を言い合いたいなとか、
思うことや希望はあるのだけれど、
どうやら僕と君は一緒には居られないらしい。
どうしようもなくどうにもならないことが、世界には在る。

でもね、
その願いが叶わないのは確かにすごく悲しいし残念なことだけど、
それでも、
君のことを知らないでいたよりは、
君と出会わないでいたよりは、
随分幸せな事だったと僕は思うよ。

お別れをするってことは、
つながっていた証拠。
きっと、誰と誰の間にも「さようなら」は訪れるけど、
そもそも「こんにちは」がなければ、それすら伝えられないんだから。
寂しさも、悲しみも、一人じゃなかったからこそ、感じられる。

だから、日々が繰り返しのおんなじような毎日でも、
君とつながっていられる今日を、僕は特別大切にしよう。
いつか世界の終わりが来ても、後悔しないように。

一日一日が、愛しい。
一日一日が、嬉しい。
ねぇ、それって、君のおかげなんだよ。
作品名:壮大だけど、短い 作家名:作者