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ママ友メランコリック

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一日の最高気温が計測される昼下がり。お日様は爽やかに照り付けている。その裏で、女たちの腹の中は荒れ狂う。当たり障りのない会話で仲を保ち、とめどない女のプライドをあからさまに表には出さないまでも、それは彼女らの顔面に張り付く取り繕った笑顔から安易に推察できる。
あ?太陽?陽気に燦々と照らしてんじゃないよ!

A「あそこのステーキがおいしいのよ~。値段もリーズナブルでとてもグー!親指の指紋をこれでもかというぐらい2人に見せつけて〉」
B「へえ~!あのお店、よく行くの?(いや焼いた肉単品3500円て。グーちゃうねん。)」
A「そうねえ。週に一度は。(貴族じゃあるまいし)」
C「まあ、グルメなのねえ(嘘つけ。さっきからドリンクバーのティーパックちょこちょこ鞄に入れてるの知ってんねん)」
A「そんなことないわよ、家のすぐ近くだからってだけで。」
B「私のとこはあんまり外食しないのよ。ほら、私って料理好きじゃない?」
C「うんうんうんうんうんうんうん~!(知らんがな。)」
A「〈とても興味あり気な風情で〉ちなみに昨日の晩の献立は?!(どうでもいいけど)」
B「七種野菜とサーモンのテリーヌ、ワタリガニのクリームパスタ、自家製バケット、メインにフォアグラのソテー、デザートにはタルトタタンを焼きました~♪」
C「うわぁ、すごいご馳走!(そんなごっつい石ついたなっがい爪でそんな料理つくれるわけない)」
B「そんなことないよぉ!普段通り、冷蔵庫にあるものでぱぱっと!て感じ」
A「わーお!尊敬しちゃう!(んなわけあるかい。どんな冷蔵庫やねん)」
B「えへへ。〈肩をすくめ、恥ずかしそうに少し下を向く〉(本間はチキンラーメンでした)」
C「〈机から身を乗り出し、瞳孔を最大限に開いて〉ねえねえ、写真とかないの?(見せてみんかいな)」
B「あ~、写真はないわ。いやさ、こうゆうメニューって毎日の事だからぁ。(ちなみにチキンラーメン、器に入れんと鍋ごといったったで)」
C「うわ~、ざんねぇん。今度食べてみたいなあ、Bさんの手料理!(見せてみんかいな)」
B「うん、是非是非!(ワンタンメンでええかいな)」
A「あらやだ!もうこんな時間!こうやって三人で話してると時間経つの一瞬じゃない?(そろそろええやろ)」
B「ほんとほんと~。家で家事だけやってたらストレス溜まって嫌んなっちゃう!(あー早く帰りてー)」
C「ね。こうゆう時間が、主婦には大切なんだよね☆(あーPTAやめてぇ)」
A「よかったあ、BさんとCさんのような存在が居て。私って幸せ者!(なんつって)」
         「「「アハハハハハハハハハハハハハハハ」」」

三人の主婦たちの精一杯の楽しそうな笑い声に、どこか鬱屈とした空気を感じずにはいられない。
以上が“仲が良いわけでもなんでもないけど、わが子が通う小学校のPTA仲間と大変めんどくさい時間を過ごす主婦たちのファミレス会合に密着“
現場のkononでした。
作品名:ママ友メランコリック 作家名:konon