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ぎーくおぶじえんど
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偽電車男 第二部(完結編)「長いトンネルを抜けて」

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3.復職前に思う。やっぱりか・・・


地元の企業説明会に顔を出すも、結局今いる会社をまだ変わる気はなかった。
まだ色々勉強できそうだったから。

そして、2ヶ月間経過し、支社長から連絡があり、様子を見たいので一度支社に顔を出すよう言われた。
様子がOKなら、すぐに顔出した次の日に新しい客先と面談するとのこと。
支社は、あの雪国の客先の都道府県の隣にある。
一応実家の県から、一日2便だけ出ているプロペラ式飛行機に乗り、ちょっと不安を感じつつも、地元土産持参で支社に顔を出した。

支社長と営業さん二人と再会し、話す。

「お、元気そうだ。良かった。」
「もう仕事できそうか?」
「はい。」
「じゃあ、来て欲しいって企業があるから、明日そっちと面談しよう。」
「分かりました。」
「今日はホテルでゆっくり休んでくれ。交通費とホテル代は出張扱いで出るようにするから」
「はい。」

そしてその日はホテルに泊まり、次の日は服装をぴっちりさせて車で支社と同じ都道府県内の客先まで支社長と営業さんと一緒に移動した。

面談開始。

客先の人が俺のスキルシートを見て言う。
「ああ、Javaの経験ありますね。WEB系も結構言語使えるんだ。いいね。」
「はい。大学時代からWEB系やってますんで。」
あの客先のときの面接とは違い、大人しく質問に答えてやりとりしていく。

そして、最後にこちらからも質問
「業務に着く前に、事前に学んでおくべきことはありますか?」
「Javaの○○○○というフレームワークベースで開発してるので、それを勉強しておくといいと思います。」
「わかりました。ありがとうございます。」

そして面談終了後、三人でその客先近くの駐車場でコーヒー片手に話す。

「じゃ、もう決まったし、来月からよろしく。」
「引越しとかまた必要ですね。業者は指定の奴使います。」
「翌月に引越し代払うからさ。」
「じゃ、今日は余裕見ながらちょっとだけ飲むか。」
「はい。お願いします。」

久しぶりに会社の人たちと飲んだ。

「いやぁ、前の客先のうちの連中がみんな心配してたけど、大丈夫そうだって伝えとくよ。」
「そうですか。」
「今度花見とか企画して、みんなさそって飲もうよ。」
「いいですね(笑)」

そんな感じで話していると、

「まぁ、前の客先では色々あったのかもしれないけど、がんばってくれ。」
「あ、そうだ、ミズキが、お前と同じようなこと言ってたけど、何か知らないか?」

その瞬間、顔はポーカーフェイスを通したが、「やっぱりな」と思った。
つまりは、ミズキさん、前の客先の連中と、うちの連中にいじめ受けてるんだな。
本当はそれを聞いた時点で、半分あきれて半分プッツン。
そのまま実家からGC8にありったけの○○○をつめて、あのクソみたいな連中のいる客先に特攻野郎Aチームばりに突撃したい衝動に駆られたが、まだ休養が必要とか判断されても、俺今貯金マイナスだし困る。

そうとう悔しかったが、
「いやぁ、分からないですねぇ」
と答えた。

握った拳から血が出るくらい力一杯の状態で。

俺の半身は、その俺に対して「だせーな」と思っただろう。
悔しかった。

「ミズキは二ヶ月後に別の客先に異動するんだ。」
「え、そうなんですか?」
「まぁ、疲れてるんだろう。」

本当はそんなことは絶対にない。
あのクソ連中がミズキさんに俺にやったことか、それ以上の嫌がらせをやっているはずだ。

悔しい。
でも、俺がここで黙っておけば、彼女のいじめはもうすぐ終わる。

相当感情を抑えすぎて、嫌な気分だ。
そして、飲み会を切り上げ、実家への帰路に着いた。

すぐに飛行機から降りて、実家に帰るまでにミズキさんにメールで状況を聞こうとしたが、メールを打とうとする手をこらえるのが必死だったな