偽電車男 第一部「栄光と地獄」②
16.安西先生・・・彼女が欲しいです・・・
マイコさんとの人生初デート、その結果はなかなか悪かった。
次はしのぶちゃんとのデートだ。
しのぶちゃんとは、二回デートした。
一回目は、イタリアン。
いつものように黒のEF9でお出迎え。
大手スーパーの駐車場で待ち合わせて彼女が来た。
うん、丸っこい。この娘は丸っこいぞ。
白と黒のボーダーで、格好はちょっと子供っぽい気がしたが、自分のイメージを理解しているのならば、OKだろう。
で、ちょいちょい音楽の話しながらレストランまで車で移動。
たしか、コブクロが好きって言ってたっけ。
m-fl○の「let go」のマキシを持っていたが、アルバムにも収録されてたので、プレゼントしたった。
「Let's go ? 明るそうな歌ですね。」とか言われたので、
「ああ、これは let go で、意味が違うんだよw」(ありのままな子だな)
とちょっと会話も弾む。
スポーツ体型な感じもあるので、ちょっと話したらバスケやってたってさ。
つか、柔道とかやってない?って聞きかけたけど、失礼と思われるといけないので止めた。
このあたりで、時期的に俺の体型がハート様から肉のフドウ・・じゃなくて、もっとスリムな、雲のジュウザみたいな体型の筋肉になっていた。
この筋肉なら、たぶんしのぶちゃんクラスでもお姫様抱っこぐれぇできるぜぇ。
何故なら、中学時代はスポーツやってたし、60kgのバーベルでスクワットとかしてたんだ。
まぁ、置いといて。
場所は近場のイタリアンレストラン。
ちょいちょい会話をはさみつつ、またパスタだよ・・・
みんな、パスタ好きねぇ・・・
今回は特訓の成果でスプーンの上で丸めてから口に運ぶスタイルを習得したわよ!
おいしそうに食ってくれたのでOKかな。
スキル「すすらない」をマスターしたから良かったかな。
会話もマイコさんみたいに他の男の話がなかった。
つか、やっぱり向こうから全然話題振ってこないのはなぜだ!?
という普通かなって感じのデートを一回。
次のデートはチョイスを間違えて、ちょっと面白いとこいこうと思った。
なので、ちょい高い回転寿司へ。
つか、思いっきり間違いだったよ。
あのね、話の途中で移動するネタに目がいくじゃん?
その度に会話が途切れるじゃん。
女の子(つかしのぶちゃんも体型気にしてるのかな?)はカロリー気にするじゃん。
ご飯ものだし、酢飯だからカロリー高いじゃん。
しのぶちゃん、5皿くらいしか食って無いじゃん。
もっと食えば?って言ったけど、もうご馳走様ってさ。
そして、帰りの車で「すいません。もうデートとか止めましょうってさ。」
「これから発展して付き合うこととか有り?」
「ないっす」
「じゃあ、友達でよろしこ」
という感じになってしまった。
後で、ワタセさん以外の合コン参加メンバーと話しをしたときに、
しのぶちゃん、俺以外の他の合コン参加メンバーが気になってたんだって。
なんだよ、言えよ。
応援してやるのに。
で、ちょっとメル友になったけど、結局メールもあっちから切られて・・じゃなくて、こっちがやる気無くして終了。
メールカット。
リングにタオル投げちゃった。
それから二ヶ月は合コン氷河期へ。
仕事の時間に、客先の例の大部屋では、俺の隣の島でマリちゃんが俺が彼女ゲットできなかったことを嬉しそうに言ってた。
「良かった。俺君カッコよくなってきてるけど、やっぱたいしたことないのかな。」
「顔はかっこいいけど、シンイチさんの方がもっといい。」
とか言われた。
えーーーーーーーーー
また俺のプライドに火をつけるのかな、この娘は・・・と思ったけど、マリちゃんの反応がすごいかわいく思えたんだ。
だが、現実を直視し、前に進まなければ。
俺のプロファイリングでは、マリちゃんは俺と付き合うことは望んでいない。
そんなもんさ。
つか、俺、マリちゃんに未練たらたらじゃん。
だせぇ。
マリちゃんとは色々日常的に会話したりしてたけど、シンイチさん⇔マリちゃんのラブッぷり見せられて ぐうの音も出ない日々があったね。
社内報告会とかで会っても、俺とマリちゃんには特に進展はないんだ。
当たり前だろ?本命彼氏がいるんだもん。
そして合コン氷河期中もM字バングとかいう新しい髪形(黒)に挑戦し、身体を引き絞り、そして自作の料理も凝り始めた。
こんときは、きどってカプレーゼ作って、ブログに投稿したわ。
性衝動の完全なコントロールに成功し、やる気爆発して闘争心もMAX!
足にウエイトをつけてのウォーキングと軽いランニングもやり始めた。
素人は絶対真似しないように。
下地の筋肉とかつけてないと、足が折れるぜ。
後はがんばって彼女作るだけだぜぇ、という意気込み。
そして、冬の終わりごろ、今度はミズキさんと俺の間である出来事が起こるのであった。
作品名:偽電車男 第一部「栄光と地獄」② 作家名:ぎーくおぶじえんど