偽電車男 第一部「栄光と地獄」②
14.時は来た。それだけだ。
さて、合コンの日となった。
居酒屋の大きい個室の中に入り、続々とメンバー終結。
ワタセさんの知り合いの人の乾杯の音頭からスタート。
っていうか、男性陣はほぼうちの会社のメンバーじゃん。
以前の紹介に出て来てねーけどさ。
相手側の女性陣は全員普通っぽい人ばかり。
自己紹介やトークが始まった。
俺はマイコさんという女性と話しをして、
どうも食事をするお店の開拓が好きと聞いたので、 一緒にいきましょうという話に。
マイコさんは、ちょっとマリちゃんぽいが、ぽっちゃりしてる人だよ。
うん、ぽっこりしてるわ。
緊張しながらも早速メアド交換。
つか、赤外線の使い方知らんので、紙でもらったのはダサかったか。
そして、次にしのぶちゃんというフリーターの子とメアド交換した。
今度良かったら食事いきましょうってね。
こっちもちょっとぽっちゃりだけど、かわいい。
とかやってたら、ワタセさんから「もっと交換しとけばw」
と言われたので、もう一人ユキさんという人とメアド交換しといた。
あと一人明らかにロックとかメタラーな感じの人がいたので、ちょっと陰陽座についてトークしといたよ。
初めての合コン。
かなり酒が入り上機嫌になった。
送り迎えの車の運転役をうちの会社の今田さんという先輩社員さんがやってくれて、楽だったわ。
酒入ってて、何かわけわかんないうちにテンション上がったようだ。
自分に自信がついてきたのか、ペラペラ喋り、挙句こっそりと居酒屋の店員で
安藤美姫に似た、みくさんという人にまでメアド交換をお願いしたのは、何か、調子に乗りすぎだったよね。
天狗どころじゃないよ。
ピノキオの鼻が伸びすぎて、相手の心臓を貫くくらいだよ。
伸びろ、如意棒~!
みくさんが一番かわいかったけど、苦笑いされたし。
「かわいいっすね~」とかポロッと言ってしまった。
相手喜んでた。
みくさんことミクティとは、メアド交換できずw
相手のレベル高すぎ。
ワタセさんに見られて、苦笑いされる。
だってさ、マリちゃんに振られて俺も辛かったんだよ。
前に進みたかった。
こうして、俺の初合コンは3人のメアドゲットとなった。
自信がついたら、トーク力上がった?
いや、このときはとにかく無言の状態を作らないようにしようと俺なりにテンパッて、トークのテーマを次々にぶちこんたけど、がんばった方かな。
「今日、葛○ミサトという子と知り合いました。以前は失語症になっていたようですが、今ではブランクを埋めるかのようにベラベラと良くしゃべります。」
うん、ミサトさんの気持ちがわかる気がする(気のせい)
デートの約束も2件ゲット。
合コンが終わり、デートの日までさらなる高みを目指していつも以上に身体を引き絞り、食事制限、お店チェックをがんばった。
電車男を見て、とにかく初回は「イタリアン」というイメージがインセプションされており、和食?そんなのは、後だ後、という感じ。
超がんばって、お店予約入れたよ。
カジュアルなイタリアンの店。
それぞれ違う店、違う日にね。
服装は、上はニットパーカーにすることにした。
インナーは白シャツで、下はデニムだよ。
こんな感じで、オシャレなわけではないけど、無難っぽい格好だね。
まずはマイコさんとのデート。
そしてしのぶちゃんとのデートだぜ。
作品名:偽電車男 第一部「栄光と地獄」② 作家名:ぎーくおぶじえんど