戯言 2013 1
<道>
道なき道を キミはゆく
険しき道を キミはゆく
息切らしては立ち止まり
振り向き惑い悩めども
道なき道が キミの道
答えを求めて 歩みだす
<何もナイボクら>
痩せっぽっちのボクらには
在るはずのものが何もナイ
骨と皮だけのこの腕じゃ
重すぎる希望など持つこともできナイ
肋が浮いたこの胸の中は
しあわせなんて詰ってやしナイ
飢えと乾きに満ちた
孕んだ腹を抱え
凹んだ瞳で見あげてみても
何もない空が広がるばかり
情けも容赦もナイ
この偏った世界に生まれたことを
ボクらはその瞬間から
後悔し続けている
<衝動>
孤独はボクを狂わせる
孤独はボクを引きちぎる
狂えしちぎれた
孤独なボクは
仲間を求めて
彷徨い始める
狂わせ引き裂く
相手を求めて
<昨日の休み>
昨日はテレビなどつけなかった
昨日は誰とも会話もしなかった
昨日は食事さえまともにとらなかった
昨日は引きこもって…
昨日は…
昨日は…
昨日も また
<今夜も>
喉に刺さったままの
言葉が上手く吐き出せない
胸に巣食ったままの
想いが孵る事もない
仰いでは俯いて
溜息をつこうとも
変わらぬボクは
今夜もまた
今夜もまた
<恋酒>
飲めないオマエと 酔えないオレが
今夜も二人で酔っている
ママゴトみたいな夢など描いて
二人互いに酔っている
街の片隅ネオンに誘われ
恋の酒など飲みながら
覚めない夢などありもしないのに
酔いが冷めぬと嘯いて
慣れないお酒に戸惑いながらも
今夜も二人で酔っている
<うつつもゆめも全て夢>
全てのものは
ただの夢
夜が終われば
皆 消えて
ボクもアナタも
ただの夢
時が過ぎれば
消え堕ちて
全てのものは
所詮 夢
うつつも夢も
同じもの
<心>
期待してはいけない
信じてはいけない
夢見てはいけない
それはいつも裏切られるから
諦めよう
閉じこもろう
目を瞑ろう
そうしていれば傷つかずに済むから
<此処>
此処に帰るのは
なぜだろう
他に帰る処が
ないせいか
お帰りものなく
暖かくもなく
単に習慣だけ
かもしれない
此処に帰るのは
いつからだったのか
答えるものもなく
ボクはぼんやりと
今夜も独りで
座っている
<閉ざした口>
きっと疲れてしまったのだろう
貴女は疲れてしまったのだろう
恋することに
恋する自分自身に