書き散らした言葉たち 2012.7
<花に>
花が 夢見て 咲くならば
夢のあとまで 抱きたい
花が 虚しく散ろうとも
咲いた想いを 忘れずに
<王様の耳は>
思うことが書けなくなってたから
言いたいことが書けなくなっていたから
だから こんなとこで こっそりと
小さな声で 囁いてるのさ
オウサマノミミハロバノミミ
ってね
<ボクを濡らして>
堪えきれず 溢れだしたものは
ずっと 零れ続けるのだろう
曇る想いが 晴れるまで
ずっと 吐き出る事だろう
時に 激しく
時に 音もなく
やがて 澄み渡る
爽やかな風が吹くまでは
<招かざる来訪者>
幾重にも重なる
厚く白い雲を従えて
抜ける空が青く広がる
刺すような焼ける日差しに
白旗の汗を滲ませて
諦め顔で夏を迎える
<夏>
此の そぶ降る雨が
やんだなら
またひとつ
熱い眼差しが射すのだろう
此の 降り続く雨が
やんだなら
またひとつ
爽やかな吐息が吹くのだろう
訪れに 胸を痛め
ときに
訪れを 待ちわびながら
季節の移りめを
濡れながらボクは感じている
<別れ>
自ら撒いたのに
芽吹いたと嘆くのは
お門違いだ
自らが手放したのに
不服に思うのは
お門違いだ
離れたのは
ボクじゃない
降りたのは
ボクじゃない
飽きたんじゃなくて
呆れ果てただけ
冷めたんじゃなくて
さよならしたいだけ
<華を摘みに>
ボクの想い
聞こえないなら
冷めたお茶など
飲みほそう
キミの言葉
意味わからないから
見ないテレビ
つけてみよう
ありふれたすれ違いは
とてもいつも 退屈すぎて
お決まりの苛立ちなど
もう既に 飽き飽きで
キミを置いて
華を摘みに
今日も出かけよう
ボクを愛でる
華を捜しに
外に出かけよう
<家族>
それぞれに
違う想いで
それぞれに
違うものみて
通い合うものも
僅かだけど
それでも
まだ
一つ屋根の下
<いつも>
何も聞かず
何も答えず
ただ じっとみつめて
視線逸れるまで
じっと 見つめて
<電柱>
少しだけ曲がった電柱が
幾重にも立ち並ぶ
逸ることもなく
臆する事もなく
ただ 幾筋もの黒い手を伸ばして
無表情に
無感動に
ただ さり気なく手を取り合って
雨風にさらされて
寒暖に揺さぶられ
何想い 何を見つめているのだろう
暮れ逝く細い路地の傍らに
黙り込み
俯いたままの電柱が
寂しげな横顔でならんでいる
<夕焼け>
夕焼けは こんなにも赤いのか
久方ぶりの 晴れ渡る空は
忘れかけていた 黄昏ゆく空は
戸惑いと 驚きと 望郷にみちている
<偽りの自傷>
薄っぺらい刃物のかわりに
ボクは切り刻む
薄っぺらい言葉で心を
切り刻む
毒の香りで
自虐色で
ぶよぶよと不遜な心を切り刻む
生きる意味の赤など滲ませずに
腐りきった闇だけ洩らし
戯れと 暇つぶしの
そんな下らぬ訳だけで
退屈しのぎに 切り刻むのだ
自分と 君と 他の誰かを
<日焼け>
背中の皮がむけると
何かが生えてくるような気がする
背びれなのか
黒い羽なのか
未だわからないけど
隠し持ってる
ツノトシッポトノオソロイダト イイナ
<慰安>
堪えきれず
零れ落ちた優しさは
人を街を
冷たく癒してゆく
耐え難い暑さに
疲弊しきった週末の街模様に
癒しの雨が
安らぎの雨が
心地よい冷たさで降り注いでいる
<うすべに>
色褪せた金魚たちが
渇いた笊の中
びちびちと集ってる
艶かしく喘ぎながら
白い腹をくならせ
虚ろな眼を晒してる
奪われた
潤いを夢見てるのだろうか
訪れた
渇きに打ち震えているのだろうか
言葉にもならない
薄紅色の呻きを
それぞれに垂れ流しながら
<少年の日々>
すきなものは
好きと
いえる歳になっていた
きらいなものに
向き合えるようには
何とかなれた
でも
やりきれない想いは
今も尚
ボクの心の中で
持て余されたまま
途方にくれている
少年の日々の頃のように
<気高き僅かな同胞へ>
握りつぶされる事なく
黙り込むことなく
自らを抱き続けよう 少数のハラカラよ
多数に流されることなく
世論に惑わされることなく
自らを貫き通そう 少数のハラカラよ
今がなくとも 明日がある
明日がなくとも 先がある
屈することなく 黙ることなく
多数の無謀を非難するのだ
世は 変わりゆくもの
いずれ移りゆくものであるから
<子猫>
痩せこけた子猫が鳴いていた
駐車場の片隅で鳴いていた
惹き潰してしまわぬよう
大きな音を出しそっと車を動かした
子猫は鳴いて僕を見送った
痩せこけた子猫が眠ってる
駐車場の片隅で眠ってる
帰り着いたボクの車の横
焼けるようなアスファルトの上で
もう何も鳴けず無言で眠っている
<五日は詩の語ハム 誤変換の詩>
たぶん いつかは砂の星
いずれ いつかは砂の星
渇いた砂漠に
亡者の群れさ
行き着く先は シの星に
それから先は ムの星に
<まどろむ魚>
まどろむ魚のみる夢は
儚く消えるものでしょう
沸き立つあぶくに似たような
一夜の涙となるでしょう
夢見る魚は漂って
流れにゆられてまどろんで
変わらぬ朝に目覚めては
此処はいずこと嘆くでしょう
涙ながして嘆くでしょう
<夜道を歩いて>
ごうごうと音をたて
夜空が鳴っている
ごうごうと音をたて
曇り夜空が広がるばかり
飛行機なのか
強風なのか
曇り夜空はただ 轟いて
轟いて
ボクの頭上に広がっている
<片手間に綴って>
掴む事は難しく
手放す事は楽なものだ
進む事は耐え難く
後戻りは気軽なものだ
想いに蓋をするのは至難の業で
言葉にするのは片手間だ
だからボクは
いつも楽ばかり
言葉を騙り続けてる
<曝れ頭>
綺麗なお顔も
可愛い笑顔も
一皮むけば
しゃれこうべ
薄皮一枚違うだけ
<人間失墜>
お座成りな会話
型どおりの言葉
らしくよりも
らしくなく
駆け引きの会話
お決まりの台詞
らしくよりも
らしくなく
行きずりのケラクに溺れ
不実な裏切りに身を任す
そんな怠惰な
そんな気怠いひと時が
ボクにはお似合い
<青き情景>
薫風渡る青海原
浴びる日差しに
光りさんざめく
荒夏に臆せず
なびいては立ち直り
日陰の僕らを笑うよう
暑さも風も受け流し
花が 夢見て 咲くならば
夢のあとまで 抱きたい
花が 虚しく散ろうとも
咲いた想いを 忘れずに
<王様の耳は>
思うことが書けなくなってたから
言いたいことが書けなくなっていたから
だから こんなとこで こっそりと
小さな声で 囁いてるのさ
オウサマノミミハロバノミミ
ってね
<ボクを濡らして>
堪えきれず 溢れだしたものは
ずっと 零れ続けるのだろう
曇る想いが 晴れるまで
ずっと 吐き出る事だろう
時に 激しく
時に 音もなく
やがて 澄み渡る
爽やかな風が吹くまでは
<招かざる来訪者>
幾重にも重なる
厚く白い雲を従えて
抜ける空が青く広がる
刺すような焼ける日差しに
白旗の汗を滲ませて
諦め顔で夏を迎える
<夏>
此の そぶ降る雨が
やんだなら
またひとつ
熱い眼差しが射すのだろう
此の 降り続く雨が
やんだなら
またひとつ
爽やかな吐息が吹くのだろう
訪れに 胸を痛め
ときに
訪れを 待ちわびながら
季節の移りめを
濡れながらボクは感じている
<別れ>
自ら撒いたのに
芽吹いたと嘆くのは
お門違いだ
自らが手放したのに
不服に思うのは
お門違いだ
離れたのは
ボクじゃない
降りたのは
ボクじゃない
飽きたんじゃなくて
呆れ果てただけ
冷めたんじゃなくて
さよならしたいだけ
<華を摘みに>
ボクの想い
聞こえないなら
冷めたお茶など
飲みほそう
キミの言葉
意味わからないから
見ないテレビ
つけてみよう
ありふれたすれ違いは
とてもいつも 退屈すぎて
お決まりの苛立ちなど
もう既に 飽き飽きで
キミを置いて
華を摘みに
今日も出かけよう
ボクを愛でる
華を捜しに
外に出かけよう
<家族>
それぞれに
違う想いで
それぞれに
違うものみて
通い合うものも
僅かだけど
それでも
まだ
一つ屋根の下
<いつも>
何も聞かず
何も答えず
ただ じっとみつめて
視線逸れるまで
じっと 見つめて
<電柱>
少しだけ曲がった電柱が
幾重にも立ち並ぶ
逸ることもなく
臆する事もなく
ただ 幾筋もの黒い手を伸ばして
無表情に
無感動に
ただ さり気なく手を取り合って
雨風にさらされて
寒暖に揺さぶられ
何想い 何を見つめているのだろう
暮れ逝く細い路地の傍らに
黙り込み
俯いたままの電柱が
寂しげな横顔でならんでいる
<夕焼け>
夕焼けは こんなにも赤いのか
久方ぶりの 晴れ渡る空は
忘れかけていた 黄昏ゆく空は
戸惑いと 驚きと 望郷にみちている
<偽りの自傷>
薄っぺらい刃物のかわりに
ボクは切り刻む
薄っぺらい言葉で心を
切り刻む
毒の香りで
自虐色で
ぶよぶよと不遜な心を切り刻む
生きる意味の赤など滲ませずに
腐りきった闇だけ洩らし
戯れと 暇つぶしの
そんな下らぬ訳だけで
退屈しのぎに 切り刻むのだ
自分と 君と 他の誰かを
<日焼け>
背中の皮がむけると
何かが生えてくるような気がする
背びれなのか
黒い羽なのか
未だわからないけど
隠し持ってる
ツノトシッポトノオソロイダト イイナ
<慰安>
堪えきれず
零れ落ちた優しさは
人を街を
冷たく癒してゆく
耐え難い暑さに
疲弊しきった週末の街模様に
癒しの雨が
安らぎの雨が
心地よい冷たさで降り注いでいる
<うすべに>
色褪せた金魚たちが
渇いた笊の中
びちびちと集ってる
艶かしく喘ぎながら
白い腹をくならせ
虚ろな眼を晒してる
奪われた
潤いを夢見てるのだろうか
訪れた
渇きに打ち震えているのだろうか
言葉にもならない
薄紅色の呻きを
それぞれに垂れ流しながら
<少年の日々>
すきなものは
好きと
いえる歳になっていた
きらいなものに
向き合えるようには
何とかなれた
でも
やりきれない想いは
今も尚
ボクの心の中で
持て余されたまま
途方にくれている
少年の日々の頃のように
<気高き僅かな同胞へ>
握りつぶされる事なく
黙り込むことなく
自らを抱き続けよう 少数のハラカラよ
多数に流されることなく
世論に惑わされることなく
自らを貫き通そう 少数のハラカラよ
今がなくとも 明日がある
明日がなくとも 先がある
屈することなく 黙ることなく
多数の無謀を非難するのだ
世は 変わりゆくもの
いずれ移りゆくものであるから
<子猫>
痩せこけた子猫が鳴いていた
駐車場の片隅で鳴いていた
惹き潰してしまわぬよう
大きな音を出しそっと車を動かした
子猫は鳴いて僕を見送った
痩せこけた子猫が眠ってる
駐車場の片隅で眠ってる
帰り着いたボクの車の横
焼けるようなアスファルトの上で
もう何も鳴けず無言で眠っている
<五日は詩の語ハム 誤変換の詩>
たぶん いつかは砂の星
いずれ いつかは砂の星
渇いた砂漠に
亡者の群れさ
行き着く先は シの星に
それから先は ムの星に
<まどろむ魚>
まどろむ魚のみる夢は
儚く消えるものでしょう
沸き立つあぶくに似たような
一夜の涙となるでしょう
夢見る魚は漂って
流れにゆられてまどろんで
変わらぬ朝に目覚めては
此処はいずこと嘆くでしょう
涙ながして嘆くでしょう
<夜道を歩いて>
ごうごうと音をたて
夜空が鳴っている
ごうごうと音をたて
曇り夜空が広がるばかり
飛行機なのか
強風なのか
曇り夜空はただ 轟いて
轟いて
ボクの頭上に広がっている
<片手間に綴って>
掴む事は難しく
手放す事は楽なものだ
進む事は耐え難く
後戻りは気軽なものだ
想いに蓋をするのは至難の業で
言葉にするのは片手間だ
だからボクは
いつも楽ばかり
言葉を騙り続けてる
<曝れ頭>
綺麗なお顔も
可愛い笑顔も
一皮むけば
しゃれこうべ
薄皮一枚違うだけ
<人間失墜>
お座成りな会話
型どおりの言葉
らしくよりも
らしくなく
駆け引きの会話
お決まりの台詞
らしくよりも
らしくなく
行きずりのケラクに溺れ
不実な裏切りに身を任す
そんな怠惰な
そんな気怠いひと時が
ボクにはお似合い
<青き情景>
薫風渡る青海原
浴びる日差しに
光りさんざめく
荒夏に臆せず
なびいては立ち直り
日陰の僕らを笑うよう
暑さも風も受け流し
作品名:書き散らした言葉たち 2012.7 作家名:フラメント