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フラメント
フラメント
novelistID. 55928
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書き散らした言葉たち 2012.12

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<見知らぬボクたち>



ボク達は

一生出会えないことだろう

声も姿も知らぬまま

片言だけを

かけ流し

やがて

忘れ

消えて

それきりの

ボク達は

分かり合えることなど生涯ないのだろう

想いも本音も明かさぬままで

戯言だけを

繰り返し

やがて

飽きて

いなくなる



<黒き土>


黒き土 

不毛の地


育つもの僅かに

生けるもの疎らに


焼け爛れた岩の

溶け出した岩の


恵み薄き 

赤黒い土


照りつける日差しに 

乾いては


打ち寄せる寒風に 

凍りついては


何物も寄せ付けず

何物も受け入れず


冥府の如き広がるは

黒き黒き土の大地





<そのままでも いいから>


迷ったなら 引き返せばいい

間違いなら やり直せばいい


悩み苦しむことが 

人らしくもあるのだから


良いことなんか ないかもしれない

楽しみなんか ないかもしれない


けれど痛みも辛さも 

ずっとは続かないものだから



綺麗事なんて 云う気にもなれないし

優しいカミサマなんて 信じてもいないけれど


逃げてしまうのも 倒れてしまうのも

人らしさだと思ってる


いっぱい人はいるのだから

それぞれに人は違うのだから


弱音を吐いたり 泣き崩れても

笑顔もきっと何処かにあって


何時かは誰もが 

進んでゆける


そうボクは思ってる

勝手な想いに ほかならないけど



<雨が>


湿り気に耐え切れず

海よりの風がもたらしたのか


冷たさを支えきれず

山よりの風の取りこぼしか


雨が

雨が

雨が

音をたて降り始める


風に流されて吹き込んだ冬の雲から

季節混じりの冷たい雨が降り始める


海ならば氷に 山ならば雪にと

変わりゆくのであろう そんな雨


ただ寒く

ただ冷たき雨が

呆然と この街を見下ろすかのように

降り続いている



<不毛>


饐えた言葉と爛れた想い

纏わりついて粘ついて

逝き場も無くし張り付いて

乱れた咀嚼重なる慟哭

熟した腐肉の果実のように

歪みとズレは分裂し

ボクは幾重に重なって

ボクは幾重に連なって




<どこ吹く風>


饐えた言葉と爛れた想い

纏わりついて粘ついて

逝き場も無くし張り付いて

乱れた咀嚼重なる慟哭

熟した腐肉の果実のように

歪みとズレは分裂し

ボクは幾重に重なって

ボクは幾重に連なって



<イヴじゃねえよ>


疲れきって冷え切った

ボクを迎える

ご馳走の数々


悴んで凍えそうな

ボクが目にしたもの


冷たいサラダ

冷たい飲み物

冷たいデザート

冷たい…


ボクは無言でそれを皆

隅へと押しやった



<羽を広げて>


ボクはきっと


何時かきっと


コノコエダメデ ミヲヨジル ウジノヨウナセイカツヲ オエ


生まれ変わって

羽を広げて何処かに旅立つのだろう


オブツニムラガル ハエノヨウニ




<軋む呻き>


凍りついた空気の中

軋む呻き 響いて


何もない其処で

軋む呻き 消え入りそうに響いて


赤く染まる涙 垂らしたまま

軋む呻き 終わることなく響かせて




<本音>


ざわざわと淫らに蠢く心

ぶちぶちと千切れ始め

ぶちぶちと剥がれ始め

むき出しのどろりとした感情が

嫌な匂いを漂わせ

顔を覗かせる

ぐろぐろとした行き場の無い本音

ふつふつと集まり始め

ぐつぐつと高まり始め

明け透けで如何わしい欲望が

したり顔で

穴があくほど狙っている




<凝視>


真夜中に

シラナイダレカヲオモイナガラアエギツヅケルキミヲ

ボクは黙って見続けた

ボクは黙って見続けた




<暮れゆく時に去りがたく<>

時 みちるとも

時 暮れゆくとも


何も変わらず 何も変えれず


日々 愚行を嘆いては

日々 徒労を足掻きては


俯いて 背を向けて


堕ちゆくモノを見つめては

過ぎ去るモノに縋ろうと


ただ ボクはそんな風に

ただ ボクはいつもそうで