はじまりの旅
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ニタとクグレックはニルヴァを山賊から守ってくれた恩人と言うことで、村から丁重に扱われた。
殺されにやって来たニルヴァを殺したら、しっかりと捌いて食べることがポルカの慣習のため、伝統的なニルヴァ料理を出された。クグレックはなんとも言えない気持ちになり、なかなか食欲が沸かなかったが、ニタは美味い美味いと言ってむしゃむしゃ食べた。ニルヴァの肉は滋養強壮に良いらしい。
上級ハンターのマシアスもおもてなしをされるべき人物だったのだが、マシアスはおもてなしには参加せず、静養の後、翌々日には村を出発した。
それから1週間後。
ニタの怪我が完治したので、クグレックとニタはポルカの村を出発した。
向かう場所はリタルダント共和国の首都アッチェレ。
アルトフールの情報を得るために首都アッチェレに向かう。少しでも人が集まるところに行けば、何かしらの情報を得ることが出来る、と考えたのだ。
ポルカの村人達からの盛大な見送りを受け、二人の旅は再開した。
青空が澄み渡る高原の道を、ニタはローブに身を包むことなくありのままの状態で大きな荷物を背負い、元気な様子で下って行った。クグレックはそんなニタの後ろを嬉しそうに着いて行った。一人ぼっちと一人ぼっちは、ようやく本当にお互いを信じ合うことが出来たらしい。