何と言われようがテレビが好きだ!!
海外のシーズン物のドラマとか百話を超える話数の韓国ドラマとかが大好きなお母さん。
ハマったら夜中までも寝不足になる方を取ってまで見るほど海外物が大好きだ。
それなのに宗教の勉強を始めたお母さんが私に電話をかけてきて、
『シーズン物はサタンだから見たらいけないのよ。話の中に戦争とかウソとか不倫とかの話が出て来るから見ちゃいけないの。そういうものは全てサタンだからダメなのよ。だからあなたも見るの止めなさい。』
といきなり言って来た。
私は最初、何のこっちゃか分からなかったので、
『何を言ってるの?!』
と言い返した。
そんな私にお母さんは偉そうに、
『あなた何も知らないのね。そういうものを見る人間はみんなサタンなんだから。あなたもサタンになりたくないのなら見るの止めなさい。』
と言った。
その時は私はまだ勉強もしていなかったけど、だからと言って見るのを止めるつもりはなかった。
そこまで言ってくるお母さんだからもちろん自分は見るのを止めていることだろうと思った私は、
『そこまで言うんだから、もちろんお母さんはシーズン物なんか見てないよね?!そこまで言うんだから見てるはずはないよね?!』
と強めに言った。
あれだけ偉そうに言葉を述べていたお母さんから一瞬沈黙が届き、その後ため息が届いて、
『はぁ~、そうなのよ~。そこなのよ~。お母さん…まだ見てる…。はぁ~。』
と言い方だけじゃなく態度まで変わってそう言った。
私は呆れて、
『はぁ~っ!!自分が出来てもないことを人に言う?!そこまでよく言えたねぇ~!!偉そうに言ったくせに、何その変わりよう!!あれだけ言ったんだから、今日から一切見るの止めてね!!』
と言ってやった。
そう言うとお母さんがまた怯(ひる)むかと思いきや、
『いや~、止めないよ~。今丁度面白くなったところなのよ~。こんな良いところで止められるわけない。何言い出すのよ~。恐ろしいこと言わないで~。お母さんはまだ証すものになってないんだから見てもいいのーっ!!証すものになったら見れなくなるのーっ!!』
と理解に苦しむ回答が返って来た。
『自分が出来ないなら人に言うのは止めて。お母さんが出来てからそこでやっと言える状況になるんだからね。そうなるまでは言わないで。』
と私は言い返した。
その言葉にお母さんはまた、
『そう勉強で習ったんだから仕方がないでしょっ!!兎に角、シーズン物は見ちゃいけないの!!分かった?!』
と言って、決着が付かず話は終わった。
そして私が勉強を始める事になってから、宗教のおばちゃんにお母さんから聞いていた話が本当なのかを聞いてみた。
『お母さんから、神について証すものの人たちはシーズン物や韓国ドラマ、決まったテレビ番組も見ないって聞きました。何かにハマったらいけないとか…、それはサタンだからと…。これは本当ですか!?』
そう聞くとおばちゃんの表情はパッと明るくなって、
『まっ、そのような事までお母様はお話しているんですね。確かに、私どもは見ませんね。お母様の言われた通り、それはサタンですからね。何かに心が奪われてしまうということは良くないことなので、私どもは見ませんね。…あっ、でもニュースは見ますよ。』
と言った。
私の脳裏に、ニュースは戦争とか犯罪とかの話が多いからそっちの方が悪いんじゃないかと思ったけど言わずに、
『へーーーっ、本当に全く見ないんですね!!テレビを見たくなることはないんですか?!』
と私は聞いた。
おばちゃんは表情を変えることなく、
『そうですよね。そのように思われてしまいますよね。でも見たいとは思わないんですね。私どものようになると見たいとは思わなくなるんですね。驚かれるでしょうが見ませんね~。』
と答えてくれた。
『全く見ないのかぁ~。凄いなぁ~。私はテレビが好きなのでめちゃくちゃ見ます。証すものになると見たくなくなるのかぁ~。』と私は独り言のようにそう呟いた。
おばちゃんはそんな私の独り言にも笑顔で答えてくれた。
そして勉強を始めて十分ほど経った時に、おばちゃんが急に、
『あっ!!』
と輝いた表情で声を上げた。
ちょっと私は驚いた。
そしておばちゃんは続けて、
『ありました、ありました!!私、見ているテレビがありましたよ!!…秘密のケンミンSHOWという番組は、毎週欠かさず見ています。あの番組だけはどうしても見てしまいますね。とても面白い番組ですよ~。あなたも見ていますか?!見たことがないのでしたら一度見てみてください。面白いですから。』
と宣伝まで付いてそう話してくれた。
お母さんから聞いていた話とさっきおばちゃんが言っていた話と全然答えが違うので、私は咄嗟に言葉を返せなかった。
私は頑張って肯くだけ肯いていたらおばちゃんが、
『面白いですから是非今度ご覧になってください。確か~、木曜日だったと思います。この番組だけは私、声を出して笑ってしまいます。』
と曜日まで教えてくれた。
その日の勉強は、秘密のケンミンSHOWの話ばかりが頭を回っていた。
勉強が終わってすぐにお母さんに電話をした。
もちろんテレビを見る、見ないの話を初めにした。
お母さんの第一声は、
『え゛ーーーっ!!その人本当に宗教の人なの~!!違うんじゃないの~っ?!お母さんの回りの証すものの人たちにそんな人はいないっ!!偽物なんじゃないのーっ!!』
と言いたい放題言った。
でも私は冷静に、
『いや、同じ宗教だと思うよ。四十年勉強して来たって言うし…。同じ聖書だし…。』
と返した。
でもお母さんは信じられないと言うばかりだった。
そして上(神様)が出て来た後も勉強を続けていたお母さんは、やっぱり同じことを言っていた。
『話数が長いドラマは特にダメなの。長いとねそれにドンドンはまって行ってしまうから。』
とまた説教じみて言った。
それに対して上が口を開いた。
『お母さん、お母さんはそのように言いますが…、宗教でそう習ったと言いますが…。』
と上が話しているのに、お母さんは元気よく、
『はい、習いましたっ!!』
と答えた。
『お母さん、上がまだ話してる途中!!ちゃんと最後まで聞いて!!“はい、そのように習ったようですが、そう信じているのならそれはそれで構いませんが、そのドラマや映画を見てはいけないと言いますが、それを作った人たちの努力は何処へ行くのでしょうか。その努力をどう認めたら良いのでしょうか。…と私は考えてしまいますが…。”って言ってるよ。』
と私は伝えた。
お母さんからまたも、
『あっ。』
と口から漏れたような声が聞こえた。
そしてお母さんは続けて、
『あーーーっ、本当だ~。…そうよ。その人たちの努力はどうなるんだろうね。あ~、また違ったぁ~。シーズン物とか韓国ドラマとか見たらダメって言ったけど…、それ…取り消す…。お母さん、やっぱり見る…。はぁ~。その作った人たちの気持ちも考えて、これからはそこまで考えて見る。そりゃそうなるわぁ~。俳優さんたちの努力あるよ。だって、海外の人めちゃくちゃ演技が上手いんだもん。よく考えたら努力の結果になるよ~。はぁ~、また違ったぁ~。』
とお母さんの重たい思いが伝わって来た。
それを聞いて上が、
『別に見なくても良いんですよ。』
ハマったら夜中までも寝不足になる方を取ってまで見るほど海外物が大好きだ。
それなのに宗教の勉強を始めたお母さんが私に電話をかけてきて、
『シーズン物はサタンだから見たらいけないのよ。話の中に戦争とかウソとか不倫とかの話が出て来るから見ちゃいけないの。そういうものは全てサタンだからダメなのよ。だからあなたも見るの止めなさい。』
といきなり言って来た。
私は最初、何のこっちゃか分からなかったので、
『何を言ってるの?!』
と言い返した。
そんな私にお母さんは偉そうに、
『あなた何も知らないのね。そういうものを見る人間はみんなサタンなんだから。あなたもサタンになりたくないのなら見るの止めなさい。』
と言った。
その時は私はまだ勉強もしていなかったけど、だからと言って見るのを止めるつもりはなかった。
そこまで言ってくるお母さんだからもちろん自分は見るのを止めていることだろうと思った私は、
『そこまで言うんだから、もちろんお母さんはシーズン物なんか見てないよね?!そこまで言うんだから見てるはずはないよね?!』
と強めに言った。
あれだけ偉そうに言葉を述べていたお母さんから一瞬沈黙が届き、その後ため息が届いて、
『はぁ~、そうなのよ~。そこなのよ~。お母さん…まだ見てる…。はぁ~。』
と言い方だけじゃなく態度まで変わってそう言った。
私は呆れて、
『はぁ~っ!!自分が出来てもないことを人に言う?!そこまでよく言えたねぇ~!!偉そうに言ったくせに、何その変わりよう!!あれだけ言ったんだから、今日から一切見るの止めてね!!』
と言ってやった。
そう言うとお母さんがまた怯(ひる)むかと思いきや、
『いや~、止めないよ~。今丁度面白くなったところなのよ~。こんな良いところで止められるわけない。何言い出すのよ~。恐ろしいこと言わないで~。お母さんはまだ証すものになってないんだから見てもいいのーっ!!証すものになったら見れなくなるのーっ!!』
と理解に苦しむ回答が返って来た。
『自分が出来ないなら人に言うのは止めて。お母さんが出来てからそこでやっと言える状況になるんだからね。そうなるまでは言わないで。』
と私は言い返した。
その言葉にお母さんはまた、
『そう勉強で習ったんだから仕方がないでしょっ!!兎に角、シーズン物は見ちゃいけないの!!分かった?!』
と言って、決着が付かず話は終わった。
そして私が勉強を始める事になってから、宗教のおばちゃんにお母さんから聞いていた話が本当なのかを聞いてみた。
『お母さんから、神について証すものの人たちはシーズン物や韓国ドラマ、決まったテレビ番組も見ないって聞きました。何かにハマったらいけないとか…、それはサタンだからと…。これは本当ですか!?』
そう聞くとおばちゃんの表情はパッと明るくなって、
『まっ、そのような事までお母様はお話しているんですね。確かに、私どもは見ませんね。お母様の言われた通り、それはサタンですからね。何かに心が奪われてしまうということは良くないことなので、私どもは見ませんね。…あっ、でもニュースは見ますよ。』
と言った。
私の脳裏に、ニュースは戦争とか犯罪とかの話が多いからそっちの方が悪いんじゃないかと思ったけど言わずに、
『へーーーっ、本当に全く見ないんですね!!テレビを見たくなることはないんですか?!』
と私は聞いた。
おばちゃんは表情を変えることなく、
『そうですよね。そのように思われてしまいますよね。でも見たいとは思わないんですね。私どものようになると見たいとは思わなくなるんですね。驚かれるでしょうが見ませんね~。』
と答えてくれた。
『全く見ないのかぁ~。凄いなぁ~。私はテレビが好きなのでめちゃくちゃ見ます。証すものになると見たくなくなるのかぁ~。』と私は独り言のようにそう呟いた。
おばちゃんはそんな私の独り言にも笑顔で答えてくれた。
そして勉強を始めて十分ほど経った時に、おばちゃんが急に、
『あっ!!』
と輝いた表情で声を上げた。
ちょっと私は驚いた。
そしておばちゃんは続けて、
『ありました、ありました!!私、見ているテレビがありましたよ!!…秘密のケンミンSHOWという番組は、毎週欠かさず見ています。あの番組だけはどうしても見てしまいますね。とても面白い番組ですよ~。あなたも見ていますか?!見たことがないのでしたら一度見てみてください。面白いですから。』
と宣伝まで付いてそう話してくれた。
お母さんから聞いていた話とさっきおばちゃんが言っていた話と全然答えが違うので、私は咄嗟に言葉を返せなかった。
私は頑張って肯くだけ肯いていたらおばちゃんが、
『面白いですから是非今度ご覧になってください。確か~、木曜日だったと思います。この番組だけは私、声を出して笑ってしまいます。』
と曜日まで教えてくれた。
その日の勉強は、秘密のケンミンSHOWの話ばかりが頭を回っていた。
勉強が終わってすぐにお母さんに電話をした。
もちろんテレビを見る、見ないの話を初めにした。
お母さんの第一声は、
『え゛ーーーっ!!その人本当に宗教の人なの~!!違うんじゃないの~っ?!お母さんの回りの証すものの人たちにそんな人はいないっ!!偽物なんじゃないのーっ!!』
と言いたい放題言った。
でも私は冷静に、
『いや、同じ宗教だと思うよ。四十年勉強して来たって言うし…。同じ聖書だし…。』
と返した。
でもお母さんは信じられないと言うばかりだった。
そして上(神様)が出て来た後も勉強を続けていたお母さんは、やっぱり同じことを言っていた。
『話数が長いドラマは特にダメなの。長いとねそれにドンドンはまって行ってしまうから。』
とまた説教じみて言った。
それに対して上が口を開いた。
『お母さん、お母さんはそのように言いますが…、宗教でそう習ったと言いますが…。』
と上が話しているのに、お母さんは元気よく、
『はい、習いましたっ!!』
と答えた。
『お母さん、上がまだ話してる途中!!ちゃんと最後まで聞いて!!“はい、そのように習ったようですが、そう信じているのならそれはそれで構いませんが、そのドラマや映画を見てはいけないと言いますが、それを作った人たちの努力は何処へ行くのでしょうか。その努力をどう認めたら良いのでしょうか。…と私は考えてしまいますが…。”って言ってるよ。』
と私は伝えた。
お母さんからまたも、
『あっ。』
と口から漏れたような声が聞こえた。
そしてお母さんは続けて、
『あーーーっ、本当だ~。…そうよ。その人たちの努力はどうなるんだろうね。あ~、また違ったぁ~。シーズン物とか韓国ドラマとか見たらダメって言ったけど…、それ…取り消す…。お母さん、やっぱり見る…。はぁ~。その作った人たちの気持ちも考えて、これからはそこまで考えて見る。そりゃそうなるわぁ~。俳優さんたちの努力あるよ。だって、海外の人めちゃくちゃ演技が上手いんだもん。よく考えたら努力の結果になるよ~。はぁ~、また違ったぁ~。』
とお母さんの重たい思いが伝わって来た。
それを聞いて上が、
『別に見なくても良いんですよ。』
作品名:何と言われようがテレビが好きだ!! 作家名:きんぎょ日和