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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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久しぶりの訪問。

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『ええ、祈りは神に届くと教えましたね。ええ、そうですよ。しかしですね、あなたが話しているその何かは私たちの言っている神ではありません。神はこの世界に介入していないので、人が神と話すことは出来ないのですよ。なのであなたのその話している何かは神ではありません。』
と言い切った。
そう言うと椅子に座っている上の…神様とやらはめちゃくちゃ顔が怒る…。
眉間にシワは寄るし眉毛の端は吊り上がるし…何が一番怖いかって…目…、目が怒っているその状況を伝えてくる。
私にその顔を見せても言ってるのはおばちゃんなんだから、マジで困るわぁ~。
『そんなこと言っていいんですか?本人は聞いてますよ。もし本人だったら後で怒られませんか?』
と私はおばちゃんにそれ以上言わない方が良いという気持ちも込めてそう言った。
なのにおばちゃんは私の気持ちを汲み取らないのか…、なのにビビり始めたのか、声が上ずって、
『ええ、良いんですよ。神は許してくれますからねぇ~。』
といつものセリフを顔を引きつらせ言った。
その言葉を聞いてまた怒った顔が鮮明になった。
だから私に見せても仕方ないって!!と私は心の声で上に突っ込んだ。
でもよくよく見てみると私を見ているようで私を飛び越え、おばちゃんを睨みつけているようにも見えた。
そういうことか…ならいい…と納得した。

おばちゃんは、
『どんなに言っても今は無理のようですね。…あのですね、今回私はこんなものを書いてきました。』
と急にニッコリして私に一枚のハガキをくれた。
私は受け取り、受け取った面を見ていたら、
『反対側も見て下さいね。私、昨日あなたにこのお手紙をと思い、夜遅くまで作っていたんですよ。…どうですか?』
とニッコリのまま聞いて来た。
私は言わなかったけど、心の中で、“自分の成果を押し付けないで~!!”と叫んだ。
『ん~…、裏も表もたくさん字がありますね。』
と私が言うとおばちゃんは嬉しそうに、
『はい!!そうなんです。あなたのためにいろいろ伝えたいと思いまして…、そしたらこんなになってしまいました。昨日、夜遅くまで一生懸命作って来たんですよ。ハガキの絵も可愛いでしょ?!私が選んだんですよ。どうですか?この絵。センスはあまりないかもしれませんが、私が選んだんです。そういうところも見て下さいね。…あなたがいろいろと悩んでらっしゃることがあると思って…。良かったら読んで下さいね。』
と飛び上がりそうなくらい喜んでそう言った。
可愛いところもあるけれど、自分の頑張りを押し付けられると困る…。
そしておばちゃんは、
『では、また来ますね。』
と言って帰って行った。
作品名:久しぶりの訪問。 作家名:きんぎょ日和