1年間
凛々しい横顔 焼きついて ようやく春が やってきた
雨の日に 靴箱前で 佇んだ
君がそっと 傘を出す 「明日返せ」と 言い残し…
「ありがとう」 書かれた紙が 靴箱に
キミの手紙が 嬉しくて 隣の席を 見れぬまま
晴れの日に 全力疾走 疲れ果て
冷えたタオルを くれたキミ 「お大事に」と 手を振って
夏になり 花火にお祭り 旅行にと
忙しいのに 寂しくて 君の姿を 探してる
会えない日 隣の君が 見えなくて
黙々宿題 手をつけて いつしか終わった 課題たち…
メアドでも 聞いておけばと 後悔し
タオル返せず 悩む日々 キミの姿 探してる
最終日 やっと見つけた キミの家
ポストに入れた タオルより 手紙を読んだか 気になって
秋季会 君へバトンを つなぐため
あのタオルを 励みにし 放課後練習 日々挑む
朝練日 一足早く 走り込み
君が隣で アドバイス 調子が狂う バトンパス…
キミの髪 風になびいて 煌めいて
横目に見ては 下を向き 隠すように 走り出す
沈んだ太陽(ひ) 眩しいキミが 泣いていた
「2位でごめんね」 擦りむいた キミの膝が 痛すぎて
冬となり クラス替えも あと少し
君に返せぬ あの手紙 今日こそ渡す 14日
いつの日か 届けばいいと 忍ばせて
君の靴箱 そっといれ 遠き想いは 変わらぬと…
期待して 机の中を 確認し
キミから返事 ないままで 半年たった ダメなのか
別れの日 転校挨拶 プレゼント
最後に見た 靴箱に キミの返事が 「大好き」と
いつかまた 迎えに行くよ キミのこと
待っているから 君が来る日を…