optatio
【companion】
「ガスって本当は無臭なんだよ」
まず最初はクロワッサンのサンドイッチ。
皮がパリパリで、ちょっと大ぶり。挟んであるのはレタス。それとハムとチーズ。
いいねぇ。素材の味が活きてますって感じで。
「だけど無臭だと漏れた時にわかんないだろ?」
次はピロシキ。
中にひき肉の餡が入ってる。やっぱ育ちざかりには肉でしょ。
「で、わざわざ付けてあるんだ。臭い」
次は、と伸ばした手をぴしゃりと叩かれる。
「それと俺の昼飯を横取りするのと、どう関係あるんだ」
「だからさ、いい匂いには逆に引き寄せられるって言うか、」
そいつはあんパンをくわえたまま溜息をつく。
「今度からお前の匂いがしたら逃げる」
「うわ、ガス扱い?」
「ガスよりたち悪い」