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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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金魚さんとの出会い。

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『普通はね、こういうことしないんですよ。あまりにもあいちゃんが、“リップ、リップ。”と言うから…ね。犬と金魚を掛け合わせたら…やっぱりダメですね。おかしなものになりますね。私もいい勉強になりました。犬は犬。金魚は金魚。…ですね。』
と言うのだ。
また、してやられた~。
でも確かにリップの性格に似ている…。
すると上が、
『あっ、リップちゃんが金魚になったわけではないですよ。リップちゃんはここにいますよ。リップちゃんに付いていた御使いを金魚さんに送っただけですよ。そしたら性格が似てしまったようですね。』
とのことだった。
あっ、そんなことよりレスキュー隊レスキュー隊!!
金魚用の長いスポイドでそーっと水草をどけてみた。
私の助けに感謝することなく金魚は、逆さまに突き刺さった姿から背面泳ぎの姿勢になり力ずくで逃げ出した。
金魚の意地が凄すぎて笑えなかった。

それからしばらくしてまた金魚が水草に刺さった。
今度は逆さまではなく、泳いでいる形のまま刺さっていた。
最初は水草に潜んでいるだけかと思ったけど、いつまで経っても状況が変わらないので、水槽をコンコンと叩いてみた。
金魚は大慌てでもがいただけで、水草に絡まったままだった。
今度ばかりはレスキュー隊を出動させなかった。
私の目は細くなり、心の中で一応、“ガンバレ~。自分でするよ~。”と応援した。
しばらくして、金魚は自力で出られた。
水草は危ないということが分かったので撤去した。

もう一つこの金魚のおかしなところは、大きなビンを寝るようにと入れているのだが、その中に入って寝ることは寝るのだが、その格好が気を付けをして寝るのだ。
垂直になってしっぽで自分を支えバランスを取って、両手は横腹に対して気を付けをしているようにピッタリくっつけて、口は水面に向いている。
お母さんには、
『こんな金魚見たことがない。』
と言われた。
私はこれが金魚の性質だと思っていたから、あまりないタイプかと思うと、琉金だけど愛着も湧いてきた。

そして私はあまり、“リップ、リップ。”と言わなくなった。
上が本当にそんなことをしてくれたのかは分からないけど、またなんやかんやで助けられた。
手を取り合えば神様も優しくしてくれるのかもしれないなぁと考える私だった。

そして私はいぬ日和からきんぎょ日和へとなった。