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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 HELP! HELPER!! HELPEST!!! 』

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助けてぇ。

もしも、その時の私の声が聞こえたのなら、人は震撼しただろう。それは、誰もが助けを求めたい事態が生じていたからであり、しかし、その様な時ほど、助けて、とは言えない状況が作り出されているからなのである。

事態を説明しろと言われると、記憶をほじくり返せということと同様であるので、あまり私にとって良い方向性ではない話である。それで、以下に羅列することにする。

まず、時間が前後するようになった。
それで、焦れば焦るほど、全てが前倒しに終了してゆくことに気付く。
周りを見回しても、見方は一人も居ない。
今、手元にあった物が、次の瞬間、数メートル離れたところにある。
または、盗まれたかのように消え失せるのである。

騒ぐ。
すると、あざ笑いが生じる。世の中の全てのシステムが、存在を否定するようになる。
やることなすことを邪魔され、欲しい物は全て売り切れているような事態に落とし込められる。そして、信号機が瞬時に青から赤に変わるのである。

諦める。
同情の眼差しと声かけによる癒し商法に引っ掛かりそうになる。主に、心理テストや占いにより、地獄へ落とした後で、天の助けもまたそこから来ることになっている。

哲学書などに答えはあるのだろうか。
今日なくても明日はあるのだろうか。

その様な歴史の捏造のみで成り立つこの国で生きることは、果たして正しいのだろうか。
そして、日々働いてもらう賃金の中から、毎日支払うことに意義はあるのか。

今日をやり直すために明日はあるのではないか。

それから、貧血気味の頭を押さえて私は起き上がった。
消えゆく物は追ってはならないものであり、また新たに替わりの物は与えられるのではないか。何に対する対価でそれらは消え、動くのか。


逃げても追っても得ることにない自由に辿り着くのは、永遠に目を閉じる時だけなのだろうか。常にヘルプの声に耳を傾けることは正しくはないのである。
だが、私はまたいつか、助けてください神様、と言い続けるのだろう。
人が人ではないと知った時、いつか貴方もそうなるようにと願い続けるのだろう。