頸動脈
頸動脈
安らかな寝息を立てる君の首筋
頸動脈が不規則なリズムを打つ
必死で体を維持させてるのがわかる
だって、君は生きてる
手のひらから伝わってくる体温はこんなにもあたたかくて
気が狂いそうなほど
君が生きてるんだってことを実感するんだ
いつか君の頸動脈が
その不規則なリズムさえも止めてしまって
そのあたたかな皮膚が
背筋を凍りつけるような感触になってしまう
そんな日が来ることを
想像せずにいられないんだ
君の頸動脈を見るたび
耐えがたい不安にさいなまれて
心がばらばらになりそうになるんだ
君の体があたたかい
ただそれだけで
君が生きている幸せに涙があふれる