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鮪川ひしお
鮪川ひしお
novelistID. 55589
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夢のはなし

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お母さん、ねえぇお母さん起きて。

お母さん今私怖い夢をみたの。

お母さんが出てきたのよ。

でもねお母さんへんだったの。

隣のお部屋で黄色いお目目で真っ赤な服を着て大きなハサミを持っていたの。

お母さん聞いてる?

それでね、お母さんは何かをハサミで切っていたの。

真っ黒なカラスを大きなハサミで切り刻んでいたの・・・・

怖くなって隠れたけどハサミを持ったお母さんに気づかれて振り向かれた所で目が覚めたの。

そんなことあるわけないのにね。

お母さんは優しくて綺麗でそんな怖いことするはずないもんね。

ねぇお母さん?

お母さんお話聞いてくれてないの?

お母さん・・・

ねぇお母さん

寝てるのかな?

毎日お仕事で疲れてるんだもんね。

お母さん・・・

うごかないのかな?

もうお母さんはいつもそう。

私の話はちゃんと聞いてくれないんだから。

なんだか枕元がごわごわするな~

この枕こんなに黒かったっけ?

お母さん・・・

お母さん赤い服着て寝てたっけ?

お母さん・・・

私大きなハサミを持って寝てたのかな?

お母さん・・・

起きてよ

お母さん

起きて

おかあさん

私のハサミからいいかげん手を離してよ。

そうすればもう怖い夢はみないと思うの私。

ねぇ、おかあさん。




作品名:夢のはなし 作家名:鮪川ひしお