膨れ上がる。
抱きしめられたことは なく。
思いの丈をぶつけられたことも なく。
ただ、ちらと視界を横切ったツイートを
さながら阿呆のように眺めて黙って
スマートフォンのホームボタンに手を伸ばし
液晶の向こうに追いやった
手にしたことはない わけではなくて
与えられない わけでもなくて
流れ流れていく情報の海の中
思わせぶりに放り投げられた恋心を
ソレだと認識したくないだけで
高笑いする理想の恋や愛に
憧れるまま酔ったまま
恋焦がれて物を書きたいの
包装紙剥がして泣きたくないの
現実なんて真っ平御免
わからないものよと笑いながら
向けられた矢印を踏みにじる
指先で弾いたまっきいろの星に
絶望してはくれないかしら