33粒のやまぶどう (短編物語集)
しかし、浩二の次の能書きで、私はコロッと気が変わりました。
「直樹、よ〜く聞けよ。福を招いてくれる招き猫っているだろ。一方で、客を呼び込む客寄せパンダっているよなあ。パンダ猫はこいつらが合体してんだぜ。つまり福と客の相乗効果、パンダ猫はお金を呼び込んでくれるのだよ。捕まえて飼ってみたいと思わないか? 大金持ちになれるぜ」
貧乏サラリーマンの私は目から鱗が落ちる思いでした。そして私は決意したのです。未確認生物のパンダ猫を絶対に探し出してやろうと。
次の週末です。駅構内で、大きなリュックを背負って目をギラつかせてるヤツがいましたら……、それは私、そう猫友(ねことも)直樹です。
ところで、みな様の中でパンダ猫にご興味のある方、もしよろしければ、ご一緒しませんか?
作品名:33粒のやまぶどう (短編物語集) 作家名:鮎風 遊