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ワタリドリ
ワタリドリ
novelistID. 54908
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箱庭少年探偵 第2話 「新学期ですよ~!」

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登場人物

〇森川 正(もりかわ ただし)・・・この春 ひのぼり中学校3年生 マイペースな変わり者

〇東山 こう太(ひがしやま こうた)・・・この春3年の転入生 おとなしそうな性格? 正が最初の話し相手

〇3年1組・・・クラスのみんな。

〇N・・・ナレーション つっこみ


第2話 「新学期ですよ~!」

〇ひのぼり中学3年1組の教室。みんながわいわい新しいクラスで盛り上がっている中、ひとり窓際の後ろの席で座っている正。その正のところに転入生のこう太があいさつがてら話し相手になっている様子。

(昨夜のおばけ退治の話しを得意げに話している正。その話しをただうなずくようにどこかうさんくさそうに聞いているこう太。)
(こう太、あいづちをうつように・・・。)

こう太
「それは・・大変だったね!」


「ああ、おかげで寝不足で試験勉強にも身が入らなかったよ。だいいち、新学期そうそう確認試験があるだなんて聞いてないしね。」

N、それが本音か?

こう太
「でもすごいなあ~。両親が県外に単身赴任のような生活で、家のことほとんどまかされてるなんて。僕ちょっとあこがれちゃうな~。」

(こう太、これも全部正のつくり話しだろうと感じ、話しを元へもどすように。)

こう太
「ハハ・・。でもそれで試験勉強ができなかったなんて。言い訳にしてはおもしろ・・。」

(瞬間こう太の言葉をさえぎるようにガタンと立ち上がる正。目の下がくまで白目の寝不足の青白い顔。どろ~んと背後に火の玉がまってるように・・・。)


「これでも、信じないぃ~。」

こう太
「ひぃ~。と・・とりつかれてる~。」

(正のうらめしそ~な顔に思わず驚いて腰をぬかしてしまうこう太。)

N、すごい演技力だな・・。

(正、こう太のおびえ顔を見て満足したのか、我に戻って座りなおすと。)


「ていうのは冗談で、実はある研究に夢中になりすぎていてね。」

こう太
「えっ?」


「勉強といってもテストの範囲もろくにわからないし・・。」

N、友達いないしねえ~。つ~か、しつこいぞ!

(かまわず、平然顔で話し続ける正。)


「なにしろ学校に来たのも1年の入学式の日以来だし。」

こう太
「えっ?えっ?」


「転入そうそうの君に言うのもあれだけど。」

こう太
「不、不登校。な・・なんで?」

(こう太、意味がよくのみこめないでいると、キンコンカ~ンと始まりのチャイムが。)


「あれは、たしか入学初日に担任ともめて・・・。」

(マイペースにしゃべり続けようとした正・・。その時、教室の前のドアがいきおいよくあけられ、新任らしき男が・・・。)

新任?
「席つけえ~、クズども~。」

N、ク、クズって!

(太育会系のランニングシャツの男のがなり声に、こう太も含め生徒たちは思わずびくついてしまう。だが正だけはマイペースに立ち上がるとこう太に・・・。)


「その話しは後ほど。」

(そのまま、新任?の前をすり抜けてすましたように・・・。)


「トイレ行ってきます。」

(すたすたと行ってしまう。)

新任?
「なめとんのかこら~。」

(瞬間、チョークが空を飛ぶ。)

N、ね、熱血教師か?

(だが新任?の投げたチョークが頭にあたっても、なんの反応も返さず正は平然さを崩さずに廊下へ消えていった。)
(その様子を静まり返る教室のこう太や生徒たちが唖然と眺めていた。)

こう太
「な・何したの?いったい・・?」

(正の入学初日の謎をこう太に残したまま。)

N、なんだか、ただならぬ予感が・・・?



つづく