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座標座礁

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座標と座礁



 ANAの何百何便かに乗っている。ここは上空だろう。何メートルいや、何千メートルだろうか。戒告室ようなLAVATORYに隠り、できたてフレッシュな便を捻り出しながら、考察する。つまりこうだ――
 
「有史以来、この座標で大便をした存在は、自分だけなのではなかろうか」
 
 緯度経度にそれぞれxとyという座標軸を与えるとしてだ、高度にzを定めるとき、今まさに便をしいている瞬間のこの座標といふものは、地球という惑星の、ひいてはこの星系の唯一の「一点」とはなるわけで、そこに存して在るのは、唯一自分だけ、という事実。更には四次元の要素、つまり時間軸を4つめの因子といて付与するならば、前述の「有史以来」という大層な言葉を関して、晴れて我が肛門は、どす黒い蜷局便を宇宙空間に出現させること能うという訳です。
 
 便水なき暗黒の奥から、便座神が宣う。
 
「座標をいうのなら、人間よ。お前の乗っかっている青の星自体、宇宙の中で旋回し、回転しながら常に座標を変えているのだお(^^)/」

 なるほど……つまり私という存在は、だ。地上にあって着座している瞬間にさえ、宇宙上のxyzそれぞれに割り当てられた4桁ほどの数値を猛烈に変動させながら、移動をしているといふわけか……
 
 おもしろい。
 
 ヒトは皆例外なく、「宇宙座標上を猛烈speedで移動しながら、ウンコをする存在な者」なのです。
 
 それが一つの定義には、成り得るかも知れないな。
 
 今朝も何十億の座標に、新たな点在が……
 
作品名:座標座礁 作家名:或虎