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再会

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不安になる。俺は、なによりも大切な人を見つけたと思った。ちゃちな言葉だけと運命だと思った。



いつもその人のことを考えてる。



これでも俺は社交的なほうだから人に好かれる。けど、俺の方は実際、人を選んでる。



色んな奴と付き合っていると人間というものがどういうものなのか、じっと観察しているとその人物の人となりがおおよそ掴めてくる。



最初出会ったときからそう感じていたことだけど、あの人だけは俺を失望させなかった。



勿論嫌いなところもあるよ。自分を大切にしなかったり、やけに冷めていたりして。でもそんなところですら「その人らしい」と思わせて。



観察眼に優れていて、人付き合いが得意な部類の俺は、ただ一人、その人を選んだ。



その人はいつも一人だった。



俺みたいに友達もいないし、無邪気にほほ笑むこともしない。ただ冷めた眼差しで遠くから人を眺めている。

人と向き合うことは少なくていつも目を伏せて作品を睨んでいる。躊躇なく煙草を吸って、颯爽と歩く。



俺はその人を選ぶ。いつどこで会っても。どんな場合でも。



しつこく付きまとったけど、いやいやながらも付き合ってくれるその人に嬉しさを覚えずにはいられなくて、拒絶されたっていいんだって思っていたけど(だって好きだから)何か反応を返してくれることが嬉しくて。ましてやそれが好意的なものだったとしたら、歓喜。

だからいっしょーその人といるって決めた。いや、俺が勝手に後をついていっているだけかもしれないけど、弱くは無いから撥ね退けられてもついていくんだ。





だって運命なんだから。







信頼があるんだと思う。お互いの強さを知っているから「あいつは大丈夫」と思う。それに弱さも知っている。だからそういうときは「俺は助けにいけばいい」と思っている。



お互いにそう思っているからピンチになっても怖くない。きっと来てくれるし、どんなときでも行くって決めてる。

どういう人間かも知ってる。生まれついた感知能力のようなもので察しがつく。



お互い信頼があるから、怖くない。このまま離れることはないと思っている。



不安になったら幾度も糸を引っ張って、その先に相手はいるか確かめればいいんだ。



作品名:再会 作家名:一ノ宮