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流星

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プライドが高い。
自分でもそう思う。
人を慰めることはあっても慰められることはしない。本音もあまり話さない。
こころのどこかで世界に失望して、どんなに寂しくても他人に甘えて頼ってなだめてもらおうなんて思わない。
街ゆく人々を睨みつける、サングラスの下で。
流れるのは愛だの恋だのという歌ばかり。
誰も抱き寄せてはくれない貧弱な身体と獰猛な自分。お前らとは違うんだよ。他人に救いを求めたりはしないさ。精神を強くする。出来る限り。

死こそが自由で、それ以外は全部不自由。世界に絶望している。愚行を繰り返す人間どもに。そしてこの俺も間違いなく人間。それでも死ぬことはできなくて・・・
いつも心のどこかで思っている。
「あぁ、早く終わらないかなぁ」

''人生が''

世界が愛で出来ているなんてとても言えやしない。
もちろん人間なのだから耐えられなくなる時がある。人恋しくなるっていうんだろう。そのたびに崩れおちてしまいそうな身体を奮い立たせて「俺は他人とは違う」そう言い聞かせる。高すぎるプライド。滑稽なほどに膨大な自尊心と変えられない寂しがり屋。

夢想を繰り返すのはもうやめた。どんなことがあっても現実になりそうにないから。想像も妄想もやめた。我に返ったときに惨めで寂しくなるから。

それでも、
君に出会って変わったよ。
この腐った世界で 君は一番星のように綺麗に輝いて。
俺たちを照らしてくれる月のような神も太陽のような救世主も どこにもいないけど
君は一等星のように綺麗に輝いていて。
君といられれば俺も幸せになれた。一人じゃないと手を繋ぎ合って。

でも、輝き続けることが辛いなら、純粋さゆえにここに在るということが辛いというならいま、二人で流星になってもいいよ。
彗星になってもいい。俺は君を周りを漂うだけでいいんだ。

腐った世界で、君だけが、たった一人の君だけが 俺の一番星だった。君を目印にして、生きる糧にして、いつも見上げていた。他の星はすべてくずで俺の目には輝いてみえない。月も太陽も目に映るけどそれは間違いなく紛いものなんだ。決して明るく照らしてはくれない。

さあ、流星になろう?

作品名:流星 作家名:一ノ宮