淡桜
汚いものは俺の双眼にだけ映せばいい。
君がどうしても耐えられないなら、代わりに僕が汚れよう。
醜いものは俺の瞼にだけ映せばいい。
俺が、君の代わりに穢れるから 君だけには笑っていてほしいんだ。あの約束の場所にいたときのように何も知らなくてもいい。笑顔で無邪気でさえ居てくれればいい。
あの頃の何の陰りのない美しい景色に戻ればいい。
代わりに俺が、 汚れてあげるから。
でも、どうしても悔んでしまうことがある。
「遅れた出会い」
もっと早く出会えたなら泣いている君を強く抱きしめて、涙をぬぐって、ただ慰めてあげられるのに。
もっと早く出会えたら。そしたら、僕だって救われたのに。でも、今出会えたからこそ君のことを好きになって、君も俺を好きになってくれたんだよね?そう思わずにはいられないよ。あと一日早くても、あと一秒遅くてもダメだった。今、あの瞬間出会えたから、こうして二人並んでいられるんだ。
君が教えてくれたから、少しは前向きになれたよ。
もっと有意義に一日を送ること。もっと有意義に物事を考えること。もっと有意義に歩んでいくこと。
もっとちゃんと、分かりやすく言い聞かせて。もう少しでちゃんと理解できそうだから。