ツイッター140字ss
君と同じ花の色/380
お題bot【milk】(@milkmilk_odai)様より
小説書きさんへの挑戦状(難しい短文編)9.君と同じ花の色
※380文字
庭先でうずくまる彼を見た。
足元に広がる青い絨毯は瑠璃唐草。触れただけで散ってしまいそうな儚さが彼に似ている。
「どうしたんですか」
「この花の色、お前の髪に似てるな、って」
よく見れば青は花弁の縁だけで、中は白い。
しかしそれでもこの花の色は、私の髪よりも彼の瞳を指すだろう。
そう言うと「…るぅは、何になるのかな」と問われた。
今は遠くにいる彼の妹。
茶色の髪と瞳の…よくもまぁ、これだけ似てないのに義兄妹で通したものだ。
ざっと花のまわりを見る。
茎も葉も他の花も、彼女のイメージからはほど遠い。
「…あの娘は土でいいんじゃないですか?」
こんな時まで彼に想われる妹への嫉妬からか、知らずと言葉に棘が混じる。
彼は僅かに自分を見上げ、それから笑った。
「そうだね。母なる大地って言うものね」
そんな大袈裟なものかな、と思いつつ「会いに行こうね」と言う彼に、そうですね、と返した。
作品名:ツイッター140字ss 作家名:なっつ