『 ゴルフ場にワニが現れた話から生まれる 』
俺は濁った水の中から突如、芝の上に置かれていた。
視界を遮るものなど無く、唸り声を上げる余裕などない。
風が俺の体の表面から、生きるための水分を奪い去ってゆく。
確か俺の予定では、3000年後に現れる筈だったのだ。
でっかい国のビルの谷間に現れて、暴れ回ってやる予定だったのさ。
あの鬱蒼とした森と川の中から、世界の都会に憧れたせいに違いない。
しばらくすると、向こうの方から人が誰かを伴ってやって来た。
さっきまで、俺と対戦していた奴らに違いない。
それから奴らは俺に銃を向け、俺の記憶はそこで途絶えた。
カップイン!
何しろそいつの白玉は、奴らの卵に違いない。
それで泣くのさ海亀は。
今日も誰かが 浦島太郎
え?あれって恐竜なの?
作品名:『 ゴルフ場にワニが現れた話から生まれる 』 作家名:みゅーずりん仮名