ヴァージン・リアリティー
あなたは不思議そうに私を見ます。私だって不思議です。どうして、あなたの手に触れるという行為を、ここまで神格化していたのか。ただの小市民であるあなたに。同じくただの小市民である私が。
これはもう絶望です。私は生きていけません。この年齢にしてこの絶望アリときてしまっては、今後50年など生きていけないのです。この世に幻想はありません。あるのはただの乾いた皮膚。だから私は死ぬことにします。夢の世界にいきたいから。
作品名:ヴァージン・リアリティー 作家名:halucaca