〇△⬜
「僕は、君を蹴落としてでも、今度のプロジェクトに参画する」
⬜が△に言い返します。
「君に、そんなことを言う資格は無い」
そこに、〇が割って入ります。
「まぁまぁ、△さんも⬜さんも、実力は互角。ここは、ひとつ丸く収めようじゃないか」
それを聞いて、△が言います。
「互角だと? いや、僕は、これに賭けているんだ。このプロジェクトのためなら死んでもいい」
〇は思わず、
「△さん、カッケー」
と言いますが、⬜が、
「俺は、△が会社の消耗品をくすねているのを知ってるぞ」
と言いました。
さぁ、意外なことが、発覚しました。不意に、死角から攻撃されたようで、△は動揺しています。視覚を奪われたように、フラフラしています。あるいは、嗅覚を奪われた犬のようです。
「な、何のことかな?」
△は、動揺を隠せないまま、恐ろしい刺客を見るように、⬜を見ました。
「ロッカー、くすねたもので一杯なんじゃないのか?」
「な、なんなら、見てみるか?」
「と言うところを見ると、もう、処分したんだな。しかし、今回は、俺に譲れ。でないと、上司の前で口が滑るかもしれん」
「チクショー」
△は走って帰りました。
「今夜も、残業するのか?」
〇が尋ねると、⬜は、
「いや、今日は、帰るよ。テレビで、アルフレッド・シチカックの映画をやるんでね」
と言いました。