恋猫
必死に鳴く
出して欲しいと
必死に鳴く
檻の中に閉じ込められた猫は
暴れ回る
檻から出せと
暴れ回る
檻の中に閉じ込められた猫は
狙っている
檻から出る瞬間を虎視眈々と
狙っている
狂おしいほど純粋に
秤の様に抜け目無く
春に咲く花の如き迫力で
夏の嵐の如き荒々しさで
秋の化粧の如き力強さで
冬の漆黒の如き冷静さで
猫は檻から出ようともがいてる
心はどうか
君の恋心はどうだろうか
檻から出ようともがいているか
僕の猫は檻を飛び出し
あなたの元へ
辿り着いただろうか
猫を檻に閉じ込めてはいけない
恋を心に閉じ込めてはいけない
結局
暴れて傷付きながら檻を破り
飛び出していくのだから