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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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アボガドとポトス。

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部屋にある観葉植物の話をちょっと書きたいと…。
最近、観葉植物のポトスとアボガドから、
『葉っぱに積もってるホコリを拭いて欲しいと…。時間がある時でいいので、ちょっと息が…と言うか光合成が…。すみませんが、拭いて頂きたいです…。』
とこの一週間ほど毎日言われていた。
なので、さっきついに拭いてあげた。
私も面倒くさがりなもので、そういうのは後回しにしてしまう…。
でも、こうも直接言われていると重い腰も上がるようで、拭くことにした。
ポトスから拭こうとしたらポトスに、
『あっ、私は後でいいので、向こうから拭いてあげてください。葉っぱの枚数も多いですし…。』
と言われた。
確かに、アボガドは十五枚ほどだが、ポトスは五十~六十枚ほどある。
しかもタワー型の棒に葉っぱを巻き付けまくっているので、入り組んでいる。
ポトスはアボガドを待たせるわけにもと思ったのか、順番を譲ってあげた。
そう書いているとポトスから、
『私は葉の枚数が多いので、時間がかかりますからね。』
と言う理由のようだ。
アボガドを拭き始めようとしたらアボガドがポトスに、
『先にすみません。』
と言っていた。
『いいえ。私は枚数が多いですから時間もかかってしまうので…。』
との会話があった。
家ではポトスは5年以上の古株だ。
アボガドはまだ一年ほどだ。
私はこんなにもポトスは古株なのに謙虚なんだと知った。
いいヤツだ。

アボガドを拭きながら、
『あ~、気持ちがいい~。ぷはぁ~っ、息が出来る。』
と聞こえた。
拭き終わると、
『すみません。これでしばらく気持よく成長出来ます。』
と言われた。

ポトスを拭き始めた。
拭いても拭いてもまだある。
そんなことを思っていたら、
『すみません。…あの~、拭いてる布の水分が減って来たので、ちょっと葉っぱが削られて…すみません。葉っぱが傷付いてしまうので…、一度洗うと良いですよ。』
と言われた。
布を見たら確かにそうだった。
布を洗ってる私の背中に、
『お手数かけます。』
とポトスから声が届いた。
私はそのまま肯き、
『いいえ。』
と言った。
変な状況にも私はもう慣れてはいるはずだが…、たまに我に返る。
いいのかこれで?!…と…。

ある一枚を拭こうと自分の方に向けたら、“パキッ。”と音がした。
私もその瞬間、
『あっ。』
と声が出た。
葉っぱの付け根を辿ったら、折れていて曲がる以上の角度になっていた…。
そーっとポトスを見たら、
『あっ、気にしないでください。大丈夫ですから。』
と言われて、無言で肯き葉っぱをちぎった。

十五分ほどかけて拭いた。
まだ拭き残しの葉っぱがあるかもと探したけど分からないので、閃いた私は、
『まだ拭いてない人~?!』
と聞いたら、
『は~い。』
と小さな声が聞こえた。
だからと言って葉っぱを見ても誰が言ったか分からないので、第三の目(ドラゴンボールの天津飯のおでこにある目)で感じ取らなければ分からない。
私の目ではなく、第三の目に映るポトスを見なければ分からないのだ。
同じ映像なのにわざわざこんなことしないといけないなんて…と私は思う。
左側の下にいるのが見えた。
そして現実のその場所を見たら、ホコリの積もった葉っぱがいた。
なので拭いてあげた。
一つしか声が聞こえなかったので、全体を見て終わりかなぁ~と思いながら一応、
『まだ拭いてない人いますか~?!』
と聞いたら、小さな声で、
『はい…。』
と聞こえた。
分かり難いくらい小さいので、何処だ何処だと探した。
小さ目の葉っぱが、下に向くようにいた。
こいつかと見たらまだ拭いてない葉っぱだった。
それを拭き終わると拭き残してない気持ちが伝わってきた。
なので終了した。
アボガドとポトスから感謝の意が届いた。
そしてアボガドからは、
『頑張って実を付けるよ~。』
と言われた。
実が付くまでに何年かかるか…、果たして実がなる苗なのか…なんて私は思う。
だってアボガドはまだ五十センチほどしかないから…。
そして今ポトスに、クスクスと笑われた。
どういう意味かは分からない。


みなさんも観葉植物の話が聞こえないからと言って手を抜かない方が良いですよ。
結構、いろいろ喋ってるようです。
葉っぱにホコリが積もっていたら拭いてあげてください。
私のように手抜きはいかんですよ。