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それでもお母さんは、
『ハルマゲドンは場所の名前かもしれないけど、お母さんはやっぱりバプテスマを受けたいのよねぇ～。』
と言うのだった。
上は、
『バプテスマを受けたいのならそのために頑張って勉強をしたら良いと思いますよ。ただ、私の考えを言っているまでですから…。お母さんの話を聞いていて、あれっ？！私と解釈が違うなぁ～と思うので、私の解釈を言っているまでですが…。合っているのか間違っているのかは分からないので、一人一人が各々解釈をしていくしかありませんね。私もこのようにお二人の考えを聞いて解釈しているのですから、私も同じようにしているということですよ。』
と言った。
お母さんは一言、
『バプテスマを受けたいの…。』
と頑なな言葉が返ってきた。
上は肯いていた。
そして、
『お母さんの話によると、ハルマゲドンの前後で死んだ人の復活があるとかないとか…。今は、復活については置いておきます。ハルマゲドンの前では人は復活しハルマゲドンの後では人は復活しないと…。その解釈で合ってますか？』
と上が聞いてきた。
お母さんは不意を付いて聞かれたからか、戸惑いながらも、
『はい、合ってます。そのように習いました。』
と答えた。
［上］；（以下；［上］）
『はい、分かりました。“神について証すもの”となっていたのなら、ハルマゲドンが来ようが復活が与えられると…と言うことで合ってますか？』
と聞かれ、お母さんははっきりと
『はい、合ってます。』
とどうしてだろうか胸を張ってか、自信満々で返事をした。
上は首を傾げながらも笑っている。
［上］；『では、神について証すものとならなければ、ハルマゲドンの後死んだ人は復活もなく終わると…。』
お母さんはまた元気よく返事をして、
『だから、お母さんは早くバプテスマを受けたいのよ。いつハルマゲドンが来てもいいように…。』
と言うから、さっき（タイトル；お母さんとの電話～ハルマゲドンが…起こる？！…。～）の話を忘れているのかと私は疑いが出たので、
『お母さん、さっきハルマゲドンは場所の名前だって言ったの忘れたの？！』
と聞いたら、
『忘れてないよ。でもお母さんにだって考えがあるから…。』
という言い分だった。
私は腑に落ちないけど、上がまあまあと私を鎮める。
［上］；『ということは、神について証せないものは復活もなく終わると…。』
お母さんは食い込み気味で、
『そう、そうなるの。だから今の聞いて勉強しないと…って思わなかった？！』
と肯きそう聞いてきた。
私は呆れて、
『はぁ～？！今の聞いてそう思ったの？！本当に人によって言葉の受け取り方次第で、解釈が変わるんだね！！上は私とお母さんに同じ字で、同じ言葉で伝えたのに…人それぞれってこういう事かぁ～って勉強になった。私が今のを聞いて思うことは、神様って人を差別するんだぁ～とか、神様推しじゃない人はさようなら～とか、どんだけ自分を偉いと思ってるんだ？！とか思った。神について証しなさい！！…みたいな…。強制かよ？！って言いたくなる。』
と言った。
それに対してお母さんは、
『はぁ～？！あなたの言っていることの方こそ意味が分からない。今の聞いたら、神に従ったら助けてくれるっていう風に取ると思うけどねぇ～。それこそ、人それぞれ受け取り方が違うってこういうことなんじゃないの！！』
と何処にスイッチがあったのかお母さんが噴火しそうにそう言った。
私が、
『だから～、そういう意味じゃなくて…。』
と言い返していたら上が、
『ちょい、ちょい、ちょい、ちょい。二人とも、落ち着きましょう。お母さんの言い分もあいちゃん（仮名；私）の言い分も分かりました。私の言い方が悪かったのかもしれませんね。お母さんには言い難いのですが…、すみません…先に謝っておきますね。すみません…。聖書になんですが、“神について証すものとなりなさい。ならなければ復活はさせません。”と書いてありますか？私は書いて頂いた覚えはないのですが…。私の記憶では、誰であろうと復活はすると…約束したと思っているのですが…。お母さん、ごめんなさいね…信じているのに…。』
と言った。
私はあまりのことに頭から何か抜けてしまった…。
お母さんはもっとおかしくなっているようで、
『は、ぁ～。』
と声が漏れただけだった。
しばらく私とお母さんは途方に暮れていた。
上は申し訳ない表情でいっぱいだった。
我に返った私は今までお母さんと何を言い合って来たのだろうか…と頭を過ると、
『お母さん、今上が言ったことは本当なの？！宗教の人たちって何してるの？！上の言い分とこんなに変わっていいの？！』
と聞くと、お母さんが答える前に上が、
『あっ、私がどうのこうのではなく、聖書に基づいて話したほうが無難だと思いますよ。私が神か悪者かは分からないので…。ねっ、共通のところで話すほうが賢明だと思いますよ。』
と言った。
私はなるほど～と納得してしまった。
お母さんがやっとこさ口を開いて、
『聖書に書いてない…。お母さんは読んだよ…。確かに読んでるはず…なのよね～。』
と釈然としな感じで言った。
［上］；『お母さんが読んだ本とは、聖書ではなく宗教の方たちが作った本ではないのですか？もし聖書に書かれていたのであれば、私は訂正しますが…。』
その言葉を聞いてお母さんが我に返った。
『そうよ、そうよ、聖書じゃない！！宗教から出てる本よ…。あ～よかった。やっぱり書かれてるんじゃないのよ～。』
と言うから、私も上もこけそうになった。
上は笑いながら、
“いいんじゃないんですか。一回一回怒らなくていいんですよ。いつかお母さんも気付く時が来るので、ニコニコしながら待っていましょう。”
とそっと言われた。
それはお母さんには言わなかった。
［上］；『では、そのように宗教からの本には書かれていたのですね。分かりました。では、聖書にはどうでしたか？分からないのであれば、いずれ読んでみると良いかもしれませんね。しかし同じ部分を読んでみても解釈の仕方は人それぞれとなってしまうのも事実なのかもしれませんね。』
と上は全く怒ることはなかった。