サーキュレイト〜二人の空気の中で〜第二話
そしてどの口が言うのかと苦笑するのだ。
峰村さんや部活のみんなはまだいい方だ。
自意識過剰も甚だしい、もしかしてという可能性がないからまだ普通に話せる。
その呟きがたとえ本音だとしたって、自分から動く気がないんだから困りもので。
心や夢でいくら願っても、現実では行動する気にならない。
努力する気にならない。
いや、自分からは何もせず努力もせずに、棚から牡丹餅を期待してるんだ。
そう言う意味では、我が友人は凄いと思う。
勇気があるんだ。
それは、オレにはないもので。
たぶん、生物として男として駄目なんだと思う。
現実に恋人などいなくても生きていける。
どこかそう考えている節のあるオレは、きっと社会不適合者なのかもしれない。
我ながら気分の下降するような考えを払拭するように、オレは再び席に戻って調べ物を続けたのだった……。
(第3話につづく)
作品名:サーキュレイト〜二人の空気の中で〜第二話 作家名:御幣川幣