パジャマパーティー
好きなお菓子や飲み物持ち寄って、自分の枕やブランケットも持参で。
お互いの髪の毛をいじったり、お化粧ごっこしてみたりしてみる。
そして部屋の床にねっ転がって、夜更かししながらいろんな話をするの。
学校内の噂。
好きな男の子の話。
先生の悪口。
宿題の愚痴。
おいしいお店の話。
かわいいお店の話。
そして。
怖いお話は外せない。
部屋の電気を消して、懐中電灯だけつけて。
顔の下から懐中電灯で自分の顔を照らす。
「…そして、その人は振り向いて言ったの。
それは…お前だぁー!!」
きゃー!!
お決まりの怖い話なのに、やっぱりキャーキャー言ってしまう。
「…そういえば、私が体験したことだけどさ」
一人が話し出した。
「私の知り合いに、自称・魔女って言う子がいてさ
面白そうそうだったから、いろいろ話し聞こうと思ったんだけどさ、
『悪いけど、私本当にマジだから、面白半分でこられると困る』
なんて言っちゃってさ。
そしたらさ、その子の魔女仲間って言う子がやってきてさ、私の知り合いが私を紹介しようとしたら
『知ってる…』
なんて言って、すっごい冷たい目つきで私を見たんだ。そしてさ、私の電話番号やら誕生日なんかを言い当てて…」
「でも、それって、あんたの知り合いがその子に話してたんじゃない?」
「私もさ、最初そうかなーって思ってたんだけどさ、わたしが彼女と知り合うずっと前に飼っていたペットの名前や学校の出席番号なんかも言い当てて、ちょっと気味悪かった。
そしたらさ、私の知り合いの子がさ、真っ青になって
『もう私にかかわらないほうがいい』
って言い出して、それっきり…。
そしたらさ、この間お風呂入って、上がろうとして、タオル取ろうと手を伸ばしたらね、タオルが一瞬フワって宙に浮いて、パサっと床に落ちてさ。なんか怖くなっちゃった」
一瞬シン…となる。
「…なんで、そんな事話すかな」
今まで黙っていた子が突然口を開く。
こんな子…いたっけ?誰?
今までしゃべっていた子の顔が青い。
ベッドサイドの電気スタンドに手を伸ばしたら、
パーン!
と、電球が割れた。
悲鳴が上がる。
「ふふ。じゃあ、今度は私の番ね」
と、その見知らぬ子が言う。
突然部屋の床に赤く浮かび上がった、魔法円。
「私たちまじめだって言ったよね…遊びじゃないって…なんで分んないかな…
こんな馬鹿なパーティーで話を提供するほど軽くはないのよ」
魔法円の中に人影が浮かぶ。
「じゃあ、次のパジャマパーティのお遊びは…生贄ごっこね」
部屋には鍵がないはずなのに、ドアが開かない。
パパやママを呼んでもやってこない。
…私達の夜は、まだ終わらない…。