『黙(もく)の人よ』
黙々と黙る
黙ることもたまには必要であるから黙るのか
黙ると黙らせたほうが得意になって
いい気になってまた黙らせる
黙々となどしていてはダメだ
それじゃDUMB(唖)だ
DUMBだDUMBだ
堰を切れダムを決壊させよ
結界を破れ
押し黙らされるな
唖 黙るな
奴らは唖を作るのだ
黙々と、裏側のほうで息を殺して暗躍している
で、押してくる押してくる押してくる
黙々と、表側では口塞がれ息止められ羽交い絞められている
この黙々とした日常に人はもう苦しむことにも慣れてしまったのか
DUMBだDUMBだ
こんな黙示録など碌なものではない
大きな組織に黙らされている人よ
命が狙われている弱き人よ
黙しているふりをして
ダムを壊すのだダムを決壊させるのだ
沈黙は金
沈黙は金
金で黙らされるなら
騙されたふりをして
金を得よ
金を得よ
金黙の精神で
金黙の精神で
黙々と暗躍せよ
大きな組織よりも美しく
小賢しい組織よりも優越感で
黙々と 黙るのだ
作品名:『黙(もく)の人よ』 作家名:佐崎 三郎