zoo
僕を知らない
パンでつくった飛行機は
空を飛べないけど
おいしく食べることができるとか
布巾でつくったペンギンは
海を飛べないけど
綺麗に拭くことはできるとか
くだらないことを
教える天才だったのだ
気に入らないから
花瓶を割ったりとか
誰も知らない話を
してみたりとか
嫌なことしかできない
私にはそれでも
天使だったのだ
サイは最果て飛んで顔負け
「君の唇、海のにおいだ」
馬は里芋美味いと嘶く
遠くにいったあのこは
明日やっと十になる
明日のあのこは、
僕を知らない
僕を知らない鳥になる