再会
久しぶりに会う貴方は
5年前と変わらず
煙草の匂いをまとっていて
私はクラリとする
なんだかその匂いを
体の中に入れては
いけないような気がして
私は口をつぐむ
そして、あの日の疼きを
今の今まで忘れており
貴方に会った瞬間に思い出して
ひやりとしたのよ
もっともっとずっと奥深くまで
沈めて欲しかった
頭に血が上り手足が痺れるまで
目が見えなくなり
呼吸が止まるその時まで
私を夜のしじまに
無意識に
なにかを言いかけてやめた
今の私は知ってしまっている
「さようなら」を言う代わりに
私はきつく唇を結んだ