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佐崎 三郎
佐崎 三郎
novelistID. 27916
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「歌舞伎町墓地」

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「歌舞伎町墓地」

久しぶりに元コマ劇場前にきてみると
目の前にズドーンと大きな建物が建っていた
ちょうどこのあたりに入口があった
あのシアターアプルを思い出す
搬入搬出の長い急な階段
入口に屯す浮浪者さん
警察署の許可書を持って車の移動
中に入れば 
狭い袖回り
低い天井に悪い空気
誤差がでる廻り舞台「盆」
薄く禿げたカーペット
汚れが沁み込んだカーテン
あのオウム事件の時もそこにいた
機材を取りに中野方面に車で走って
坂上あたりで消防車の多さに驚いた
異臭騒ぎの時は
客席で観ていた
開演してしばらくしたら
一人の人影が緩やかなスロープの
客席通路を駆けていく
そのあとエリアの客たちが一人二人と立ち上がり
どんどん広がってきてざわざわとした空気の中
お芝居は止められた
数多くの思い出がある
小屋の主のようなスタッフのOさんもどうしただろう
なんか
こうして寒空に
風俗や飲み会や色恋沙汰やら
欲望の塊たちで賑々しい街の真ん中で
ただただ
一人佇み見上げていると
なんだか
巨大な「墓」のように
見えてきた
我が記憶の墓

墓が建てられた
記念碑?
いや墓である
こういう風に時代は変わるのであるか
ホテル「墓」
「墓」シネマ
この歌舞伎町墓地に
いずれまた来る日があるだろう
今度は花を持ってこよう
墓前に供物を手向けてあげよう
柄杓で水をかけてあげよう
そんな我墓に
作品名:「歌舞伎町墓地」 作家名:佐崎 三郎